記事ランキング マンガ 連載・特集

黒星病で葉が落ちたバラが猛暑で弱る理由と、梅雨から始める回復・予防の手順

公開日

更新日

吉原美奈子

黒星病で葉が落ちたバラが猛暑で弱る理由と、梅雨から始める回復・予防の手順

雨に打たれたクリーム色の可憐なバラ。清らかな風情ですがこのまま放置すると黒星病の被害を招きそうなので気をつけて!

バラの黒星病(黒点病)については、そのダメージが大きいことや対処法について何度も伝えてきました。しかしわかっていてもなかなか防げないのがこの病気。本当の怖さは黒星病の後、猛暑が与える更なる試練なのです。

黒星病で葉が落ちたバラが猛暑で弱る理由と、梅雨から始める回復・予防の手順(画像2)

アーチからこぼれるように咲く赤いつるバラ。白鳥のオブジェを飾る大胆な手法はいかにも海外のガーデンらしくユーモラス。

黒星病とはどんな病気?

まず黒星病と黒点病は、呼び名は違っても同じ病気をさします。
実際には黒点病の呼び名で読んでいる人のほうが多いかもしれませんが、正式名は黒星病で薬剤の表記なども黒星病と記載されています。

黒星病はバラ栽培で最も警戒されている病気の一つで、特に若い苗や植え付けて間もないではダメージが大きくなります。

黒星病にかかると、最初は葉に黒や茶褐色の斑点が現れます。
病気が進むと斑点の周囲が黄色く変色し、葉が次々に落ちていきます。
この病変は下葉から枝先に向かって広がり、葉はどんどん落ちて株全体が丸坊主のようになってしまうのです。

黒星病で葉が落ちたバラが猛暑で弱る理由と、梅雨から始める回復・予防の手順(画像3)

半剣弁高芯咲きのバラが房咲きになって咲くのはちょっと珍しい気がします。クリーム色にピンクの覆輪がとても華やかです。

葉が大量に落ちると光合成ができなくなり、株の体力は低下します。
一度葉を失った株は再び葉を出すために多大なエネルギーを消耗し、新しい枝は伸びにくくなります。

花数は減り、花は小さくなってきれいに咲くことはできません。
また、葉がほとんど地面に落ちたから病気が終わるわけではありません。

落ち葉の上に生き残った病原菌は、雨のはね上がりとともに再び株へと飛び散り、新たな感染を引き起こします。
こうして株は徐々に体力を失っていくのです。

黒星病で葉が落ちたバラが猛暑で弱る理由と、梅雨から始める回復・予防の手順(画像4)

整ったカップの中に花弁を折りたたんだような風情のバラ。アプリコット色が退色して薄いピンクになる様子も好ましい。

猛暑とセットでダメージは最大級に

そんな弱った株に追い打ちをかけるのが近年の猛暑です。
バラはたとえ健康な株であっても、高温になるとストレスで水分を大量に消費します。

黒星病で葉を失ったバラは水分をためておくこともできず、暑さに耐える力も弱くなります。
強い日差しと高温が大きな負担となり、自ら回復しようと伸びてくる新芽や葉、枝の生育を妨げます。

その結果、株のエネルギーが尽きて枝が枯れてしまったり、生き残っても秋の花がまともに咲けなくなってしまうこともあるのです。

現代のバラ栽培においては、梅雨時から黒星病を防いで真夏を乗り切ることがいかに重要であるかお分かりいただけるでしょう。

黒星病で葉が落ちたバラが猛暑で弱る理由と、梅雨から始める回復・予防の手順(画像5)

あるお宅の玄関先に植えられた中輪カップ咲きの半つる性バラ。四季咲き性が特に強い品種を選ぶといつも華やかです。(筆者撮影)

60代読者モデルおすすめのリンクルクリームとは?

60代読者モデルおすすめのリンクルクリームとは?PR

詳細はこちら

浸透移行性とは、植物の組織内に吸収された薬剤が水分とともに葉や茎、根など全体に広がる性質を指します。この性質を持つ薬剤は、害虫駆除や病気予防に高い効果を発揮し、表面だけでなく内部にも効能を発揮するのが特徴です。特にバラや果樹など、ガーデニングで被害を受けやすい植物の管理に役立ちます。ただし、選ぶ薬剤やその使用方法を間違えると植物に負荷をかけることがあるため、ラベル表記をよく確認し、適切に使用することが重要です。

詳細を見る

マルチングは、土の表面をワラやバーク(樹皮)チップ、プラスチックフィルムなどで覆うことです。乾燥防止、雑草抑制、土の流出防止、地温調節などの効果があります。

詳細を見る

水和剤とは、農薬や肥料の一種で、粉末状の成分を水に溶かして使用する製品を指します。ガーデニングにおいて病害虫対策や植物の健康維持に役立つ重要なアイテムです。水和剤は、効果が均一に広がる特徴をもち、植物の葉や茎にしっかり付着します。使用の際は規定の濃度を守ることが大切で、過剰使用は植物に害を及ぼす場合もあります。初心者でも使いやすく効果的な点から、多くのガーデニング愛好家に利用されています。

詳細を見る

殺菌剤とは、植物を病原菌から守り、病気を防止または治療するために用いる薬剤の総称です。特に野菜や花の栽培では、カビや細菌由来の病気が発生しやすいため、適切な殺菌剤を上手に使うことで病害から植物を守ることができます。使用の際は指定された用量や使用方法を守り、定期的な散布が効果的です。また、環境への配慮から薬剤を最小限に抑えたい場合には、病気に強い品種を選んだり、通気性や水はけを改善するなどの予防的管理を並行して行うとより効果的です。

詳細を見る

光合成は、植物が太陽の光をエネルギー源にして、二酸化炭素と水から酸素と栄養(糖)を作り出す生命活動の基本です。葉の中にあるクロロフィル(葉緑素)が光を受けることでこの反応が起き、植物の生長だけでなく、地球上の酸素供給にも関与しています。ガーデニングでは、植物が光合成しやすいように日当たりを確保し、葉を健康に保つことが重要です。日陰を好む植物でも、ある程度の光が必要であるため、「光と植物の関係」を理解しておくことは、育てる楽しさを深めてくれます。

詳細を見る

株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

詳細を見る

乳剤とは、水に溶けにくい油状の薬剤を乳化剤によって微細な粒子状に分散させた農薬の形態のことです。おもに植物への害虫や病気対策として使用され、ガーデニングでも広く活用されています。油状成分が水と混ざりやすくなることで散布時の効率がよくなり、植物全体に均一に行き渡りやすくなるのが特徴です。

詳細を見る

株とは、地面から芽を出して生長している植物の基本単位を意味し、特に多年草や野菜苗などでよく用いられます。例えば「このラベンダーは大株に育った」といったように、株の大きさや状態は植物の生育具合を示す指標にもなります。ガーデニングでは株分けや株の更新、株元の管理など、長期的な育成を考えるうえで頻出する概念です。

詳細を見る
画面トップへ移動