時代劇より恋愛ドラマ?【認知症グレーゾーンの脳に効く刺激】とは? Uターンした人の習慣
やっていること⑩ ほめられるより人をほめることが多い
誰かにほめられるとうれしいものだが、実は「ほめる」ことのほうが、脳にとってはいいトレーニングになる。
「相手を心からほめるためには、その人のいいところを見つけるため、しっかり観察しなければなりません。そのプロセスが脳の活性化につながるわけです」
人をほめることで脳からは幸せホルモンの「オキシトシン」が分泌され、幸福感が得られることもわかっている。
「仏教で言う『お布施』のように、相手に喜びを与えることで、巡り巡って自分の心も満たされる。人をほめることは、自分の心を満たし、良好な人間関係を築くための素敵な習慣と言えるでしょう」
やっていること⑪ 脳トレをするならクロスワードより麻雀
一人で解くクロスワードパズルも脳トレには効果があるが、グレーゾーンからのUターンという点では、「対人ゲーム」に軍配が上がる。
「麻雀は相手の表情や手牌を読み、駆け引きを楽しむゲーム。こういった人対人で行う勝負事は、前頭葉への刺激も大きく、脳内ホルモンの分泌も増加。脳全体の活性化に大変有効なんです」
また、役を覚え、指先を使う麻雀は、脳の若返りに適している。
「特に女性の場合、これまであまりなじみのなかった麻雀の世界に飛び込んでみることが、脳にとって絶好のスパイスになります。未知の体験や異文化への好奇心こそが、脳を元気にしてくれるのです」
やっていること⑫ 創作料理や新メニューに挑戦している
「クリニックに通う女性の方は、70歳を過ぎた頃から料理の手際が悪くなり、お孫さんが遊びに来ても手料理でもてなすのをやめ、外食ですませることが増えたと言います。そんなとき、娘さんに誘われて料理教室へ。そこで習った創作料理の自由さに衝撃を受け、料理に対する意欲が復活。楽しく台所に立てるようになったそうです」
これまで当たり前のようにできていた料理が、徐々に面倒くさくなるのは、認知症グレーゾーンの代表的な特徴のひとつだ。逆に言えば、脳をフル稼働させる料理は、最高の脳トレとも言える。
「新しいレシピを試したり、食べたことのない味に出合ったりすることは、脳に新鮮な驚きを与えます。彼女が認知症グレーゾーンからUターンできたのは、娘さんのアプローチのおかげですね」
Uターンするために家族ができることは?
「親の様子がおかしい」「認知症グレーゾーンかもしれない」と気づいたとき、家族の前向きな対応がUターンの助けになると、朝田さんは話す。とはいえ、認知機能が低下すると失敗や間違いが増えるため、家族がイライラしたり、戸惑う場面も増えるだろう。「そんなときは、『これは病気の症状なんだ』と一歩引いて捉え、正面から責めたり、否定しないでほしいのです。『なんで?』『どうして?』と理屈で追い詰めるのもNG。本人のプライドが傷つき、心を閉ざしてしまう可能性がありますから」。きつく当たってしまった家族の側も、自己嫌悪に陥ることが多いという。「叱る代わりに、よかったところを見つけて『ほめる』ようにしてみてください。ほめられれば脳は喜び、意欲を取り戻します。リスペクトと愛情をもって接することは、相手の尊厳を守るだけでなく、家族自身の心を守ることにもつながるのです」(朝田さん)
▼認知機能セルフチェックはこちら▼
>>「料理が面倒」「外出が減った」もサイン? 認知症グレーゾーン(MCI)の特徴と認知機能セルフチェック▼あわせて読みたい▼
>>ラジオ体操は「正しくやる」だけで変わる!認知症リスク18%低下の報告も。科学が示す健康効果 >>認知症予防に【こんにゃく】がいいって本当?北大研究者が解説する「こんにゃくセラミド」のメリットと賢い食べ方
イラスト/福場さおり 取材・文/恩田貴子
※この記事は「ゆうゆう」2026年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
