頻尿・尿漏れが【足の裏】と関係している理由。土踏まずのアーチに注目を
「トイレの回数が多くなった」「尿漏れがユウウツ」といった頻尿や尿漏れにつながる原因に、靴の中敷(インソール)がかかわっているかもしれません。一見、関係ないように思われる、足の裏とトイレの関係をチェックしてみましょう。日本泌尿器学会専門医の関口由紀さんに教えてもらいます。
「姿勢」は尿トラブルの原因に
頻尿や尿漏れの原因のひとつに、姿勢が安定してないということが考えられます。
たとえば、ねこ背の人は、骨盤が後ろに傾いているので、骨盤底が水平になって、腹圧が直接、骨盤底にかかっていきます。すると、咳やくしゃみをするだけで、腹圧が骨盤底に集中し、尿が押し出され、もれやすくなってしまうのです。
一方、姿勢が安定している人は、骨盤底が正しい位置におさまり、腹圧が正常に保たれていますから、尿道周辺の骨盤底筋群に負担がかかりません。尿意がないのに尿がもれてしまうということは起こりにくいのです。
ふだんから、背すじを伸ばし、おなかを引っ込めた、安定した姿勢をとるようにしたいですね。そして、姿勢を安定させるために役立つのが、「土踏まず」を安定させることだというのです。
土踏まずを安定させるとは?
土踏まずとは、足の裏にあるアーチのことで、文字通り、土を踏まない部分です。歩くときに地面からくる衝撃を吸収する働きを担っています。
土踏まずがキレイなアーチを保っていると、腰と体幹もしっかり安定します。体の重心もブレにくくなります。
そこで、土踏まずの部分が盛り上がっているタイプの靴なら、土踏まずが靴底にぴったり密着してアーチを描き、体の重心がブレにくくなるのでおすすめです。
中敷の調節ができて、土踏まずが安定したら、さらに、歩くときの姿勢にも気をつけましょう。歩く姿勢と歩幅も、頻尿や尿もれに関係があるからです。背すじをピンと伸ばして姿勢をよくして、大またで歩くと、骨盤底に関係する筋肉が強化され、頻尿や尿もれ予防に効果的です。
ブレない重心をつくるスクワット
靴の中敷のチェックと合わせて、毎日の習慣にしたいのが、骨盤底筋トレーニングとスクワットの組み合わせです。骨盤底筋トレーニングは、頻尿や尿漏れなどの困りごとを改善したいときに基本となるトレーニングです。
スクワットは、下半身を鍛える筋トレの花形。お尻の肉(大殿筋)、前もも(大腿四頭筋)、後ろもも(ハムストリングス)、ふくらはぎなど、大きな筋肉を効率よく鍛えることができます。
骨盤底筋トレーニングをするときにスクワットをプラスすると、骨盤底全体をより強くしなやかに鍛えることができ、頻尿や尿もれの改善に役立ちます。ふくらはぎの筋肉も強化されるため、血流もよくなり、冷えの改善にも効果的。また、骨密度を上げ、背骨や下半身の骨格も強化。ブレない重心づくりにつながります。
では、骨盤底筋トレーニングにスクワットを加えたやり方をみていきましょう。
【1】肩幅程度に脚を開き、背すじを伸ばして立ちます。
【2】ちつと肛門をキュッと締めます。これが骨盤底筋トレーニングです。ちつと肛門をキュッと締めたまま、スクワットを行っていきましょう。
【3】両手を前に伸ばして、上半身を前傾させ、息を吐きながらゆっくり腰をとしていきます。
【4】ひざが痛くならない角度で止めて、そのまま10秒キープ。なるべくかかとに重心をおきます。
【5】ゆっくりと立ち上がり、リラックスします。
★目安★
【1】〜【5】で1セット。5回繰り返しましょう。
※この記事は『「トイレが近い」人のお助けBOOK』関口由紀監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。
女性医療クリニックLUNAグループ(横浜元町)理事長
関口由紀
横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座客員教授
インターネットサイト フェムゾーンラボ社長
日本フェムテック協会代表理事
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
日本東洋医学会認定専門医・指導医
日本性機能学会認定専門医
日本排尿機能学会認定専門医
医学博士
経営学修士(MBA)
日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医
横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座客員教授
インターネットサイト フェムゾーンラボ社長
日本フェムテック協会代表理事
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
日本東洋医学会認定専門医・指導医
日本性機能学会認定専門医
日本排尿機能学会認定専門医
医学博士
経営学修士(MBA)
日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医
「トイレが近い」人のお助けBOOK
関口由紀監修
主婦の友社刊
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