私らしく生きる 50代からの大人世代へ

人気記事ランキング 連載・特集

50代 安心してきれいになる、初めての美容クリニック選び。キャンペーン価格はお得なの?

公開日

更新日

植田晴美

美容医療クリニックには行ったことがないけど、興味ある……という、超ビギナーのためのレクチャー第3回。美容医療クリニックで気になるのは費用ですよね。クリニックによって差があるのはなぜ?など素朴な疑問を解決しましょう。上原恵理先生が院長を務めるTHE ONE.のトップドクターのひとり、廣瀬雅史さんに教えていただきます。

クリニックによって費用に差があるのは、どうして?

「いったいどれぐらい費用がかかるの?」 
美容医療クリニックは自費診療なので、一番気になるのが料金ですよね。自費診療の場合、料金はクリニック側が自由に決められます。そのためインターネットなどで検索しても、クリニックによって料金はピンからキリまで!「安いほうがいいのか」、それとも「安いと質が悪いから、高い方がいいのか」、「なぜ同じ施術で費用に差が生まれるのか」など、初心者には美容医療クリニックの料金はナゾに満ちています。

美容医療クリニックで提供される治療・施術は、特別な機械を使ったり、高価な薬剤を使ったりします。そのためもともとのコスト(原価)が高いのですが、クリニックによって料金に差が生まれるのは、主に技術力やサービスの差と考えてよいでしょう。

美容クリニックに限った話ではありませんが、費用を安く抑えるためには、どこかのコストを削らなければなりません。ですから、「安いほうが…」と料金だけで安易にクリニック選びをするのは心配です。

たとえばシワを目立たなくしたい、唇をふっくらとさせたいときなどに行う施術としてヒアルロン酸を注入するという方法があります。ヒアルロン酸は1本の単価が非常に高いのですが、クリニックによって次のように扱い方が違います。

クリニックA 1人の患者さんに1本販売して使用し、余った分は廃棄する
クリニックB 1人の患者さんに1本販売して使用し、余った分は一定期間保存して、次回に使う
クリニックC 1本のヒアルロン酸をあらかじめ、2~3人分に分けておき、使う

クリニックCは1人あたりに使う量を少なくしているので、当然クリニックA、クリニックBよりも、費用を抑えることができます。

でも医療で一番大切にすべきなのは安全性です。医療的な観点からするとベストなのは、クリニックA。なぜかというと、化粧品や食品などもそうですが、いったん開封してしまうとその質はどんどん劣化しますし、菌に汚染されるなどのリスクも高まるからです。

「自分で購入したヒアルロン酸を使い切れるクリニックBがいい」と考える人もいるでしょう。でも質が低下しにくい方法できちんと保管されているかどうかは、患者さんにはわからないという意味でちょっと不安が残ります。

クリニックCは薬剤を分ける段階で菌などに汚染される心配がある、開封してからの保管状態がわからないため、あまりおすすめできません。

ヒアルロン酸やボトックスなど皮膚に注入する薬剤を1本単位で、購入する場合。「あなたのために、新しい薬剤を開けますよ」と開封するところを患者さんに見せてくれる、良心的なクリニックもあります。

美容医療クリニックビギナーの場合、気持的なゆとりがなくて、「開封するところを確認させてください」とリクエストすることはなかなか難しいかもしれません。ただ費用の差には、こうした背景や意味があることを知っておくことが大事。そしてどんなことでも、少しでも気になることがあったら、必ず治療や施術を受ける前に医師やカウンセラーに確認するとよいでしょう。

費用を抑えられるキャンペーンを選択する場合、気をつけること

タイミングがよければ、自分が気になっている治療や施術をキャンペーン価格など、お得な料金で受けられることもあります。キャンペーンを行う目的はいろいろとあります。

たとえば
・その治療や施術の症例写真や学術的なデータを集めるため、キャンペーンを行う
・「開院〇周年」のようなクリニックのイベントとしてキャンペーンを行う
・新規顧客を集めるために行う
・既存の患者さんが興味のある施術を試しやすいように、キャンペーンを行う
など

理由は何にせよ、きちんとしたキャンペーンを行っている場合は、ホームページなどで告知されているはずです。そのような告知がされておらず、カウンセリングなどの段階でいきなり「今なら、安い料金になるキャンペーンがあります」と勧められた場合は要注意! クリニック側が新規契約を取りたいために、その施術やコース購入を勧めている可能性があるからです。

また美容医療クリニックでは治療効果を確認するため、施術を受ける前後に顔写真などを撮影して、カルテに記録します。キャンペーンの中には、モニターキャンペーンといって費用が抑えられる代わりに、撮影した写真を症例写真として院内のパンフレット、ホームページなどに掲載されることを了承しなければならない場合もあります。

たいていは目元を隠した写真の掲載になりますが、たとえば、目の上や目の下のたるみを取るなど、目元の施術の場合はその変化を見せるため、目元を隠さない写真の掲載になることもあります。写真掲載を承諾する場合は、どのような形で、どんな媒体(パンフレットやホームページ)に、いつまで掲載されるのか、あらかじめ確認するようにしましょう。またその際の承諾書の有無とその内容も確認しましょう。

モニターキャンペーンの場合、治療や施術の効果を見せることが目的なので、医師の診察によって、そのキャンペーンの適応にならない場合もあります。キャンペーンの内容や条件について、きちんと理解するまで事前に確認しておくことが大切です。

PICK UP 編集部ピックアップ