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【老後資金】の備えは年代別に違う「50代・60代・70代」心構えをファイナンシャルプランナーが解説

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ゆうゆう編集部

ファイナンシャル・プランナーの井戸美枝さんに、世代別のお金の貯め方・使い方のポイントを聞きました。働き盛りの50代、セミリタイヤ期の60代、そろそろ終活を考え始める70代、よりよい老後を過ごすための心構えを世代別に解説します。

【50代】黄金期 老後資金をしっかり貯める

退職前の助走期間として60歳以降の生活に備えよう

50代は、「ねんきん定期便」で将来の年金の見込額がわかり、退職金の額も予想がつく時期。住宅ローンの残高も確認して、資金プランを立てましょう。

60歳以降の収入に合わせて、出費のムダもカット。たとえば、今50歳で生活費を65歳までに3割減らしたい場合、毎年3%ずつ10年かけて減らせばムリがありません。

同時に、夫婦で60歳以降の働き方を話し合いましょう。今と同じ職場で働き続けるのがストレスなら、キャリアが生かせる転職先を探し、フリーランスで働く方法を探るなど、さまざまな可能性を視野に。専業主婦の人も、夫の減収を補うために短時間でも働くことを検討しましょう。

また、50代で長く続けられる趣味や、同じ趣味をもつ人と友人関係を築いておくと、60歳以降の生活がグンと楽しくなります。60歳以降の骨と筋力の衰えに備えて、軽いスポーツを始め、日常でも一駅歩く、階段を使うなどの習慣もつけましょう。

【60代前半】セミリタイア期 各種出費を見直し、細く長く働く

家計を引き締めつつ 趣味や友人の輪を広げよう

公的年金の受給までまだ時間がある60代前半は、できるだけ働いて資産を減らさないことが大事。毎日働くのが体力的にキツいなら週に3~4日、または時短や在宅勤務などで働き方をペースダウンすることも考えましょう。60歳以降も、細く長く働ける態勢をつくることが重要です。

家計については、将来の年金額に合わせて、生活費をひとつずつ見直したい時期。
退職金は、1年間銀行に置いて長い老後に生かせる使い方、預け方をじっくり検討しましょう。

一方で、60代は多忙な日々から解放され、好きなことを極めるチャンス! 興味があることに挑戦しましょう。

50代に引き続き、同窓会や地域の集まり、趣味のサークルなど複数のコミュニティに所属して楽しみを見つけておくと、老後も外に出る機会が増やせます。

ただし、合わない人やグループと無理につき合う必要はありません。ダメならすぐやめることも、のびのび老後の秘訣です。

【60代後半】マイペース期 年金受給を一部繰り下げて、終活を開始

暮らしやすい家に転居するなら、60代のうちに

65歳以降も、短時間でいいので働きましょう。
収入があれば年金の繰り下げも可能。70歳まで5年繰り下げれば、受給額は42%も増やせます。

終の住み処をどこにするか、考えておくのもこの時期です。今の家でずっと暮らせるかどうか、冷静に判断しましょう。

私(井戸)自身も郊外の一軒家に住んでいましたが、子どもが独立して家が広くなり、庭木の手入れや家の補修が体力的にも経済的にも負担になって、60代でマンションに引っ越しました。転居には思いのほか体力がいり、また、水が変わって体調も崩しました。70代ではもっと大変でしょう。新しい環境に慣れやすいのも、元気な60代のうちです。

スマホの操作やネット注文など何でも夫や家族に頼んでいた人は、おひとりさま期に備えて自分でやる習慣をつけることも大事。ネットで映画館や飲食店などのシニア割引の情報を集められれば、マイペースでどんどん外出が楽しめます。

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