【浅田美代子さん・69歳】「面白がって生きなさい」 樹木希林さんからもらった言葉は今も大事に心の中に
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ゆうゆう編集部
連続テレビ小説「あんぱん」でヒロインの祖母「くらばあ」を好演中の浅田美代子さん。デビューから50年が経ってなお、ますます元気に多方面で活躍中です。これまでの日々を振り返りながら、その思い、これから目指すところについて伺いました。
PROFILE
浅田美代子さん 俳優
あさだ・みよこ⚫東京都生まれ。
73年ドラマ「時間ですよ」でデビュー。
劇中で歌った「赤い風船」が大ヒットし、同年レコード大賞新人賞受賞。
ドラマ「寺内貫太郎一家」や映画『釣りバカ日誌』の他、「さんまのからくりTV」などバラエティ番組でも活躍。
2019年、樹木希林企画による映画『エリカ38』に主演。
21年映画『朝が来る』で第30回日本映画批評家大賞助演女優賞受賞。
動物愛護の活動をライフワークとしている。
著書に『ひとりじめ』がある。
昭和ドラマの全盛期に丁寧に育てられて
3月から始まったNHK連続テレビ小説「あんぱん」で、今田美桜さん演じるヒロイン朝田のぶの祖母・「くらばあ」こと朝田くらを演じている浅田美代子さん。家族を温かく見守る眼差しが印象的だが、それにしても、ゆうゆう世代には、あの「隣のミヨちゃん」がおばあちゃん役?と感慨深い。実際、こうしてカメラの前に立つ浅田さんを見ていると、その透明なかわいらしさは、デビュー当時と全く変わりがなくて驚いてしまうのだが。
「でも年齢的には当然じゃない? 最近老けるのが面白くなってきたんです。ファンデーションは塗らず、アイラインもマスカラもなしで、眉毛も潰して、頬にシミを作ったり、シワを作ったり。いろいろメイクさんがしてくれるのが面白いです。これからおばあの役しか来なくなったらどうしよう(笑)」
そう笑う顔は屈託がなくて、全く「おばあ」には見えないのだが、昨年でデビュー50周年と聞くと、浅田さんが歩んできた俳優としての道のりが鮮やかに浮かび上がってくる。
「私がデビューしてドラマに出始めた頃って、まさに昭和ドラマの全盛期。そこで丁寧に育ててもらったなぁという思いはすごくありますね。特に樹木希林さんと(演出家の)久世光彦さんに出会えたのはもう財産だなと。今何とかやっていられるのも、あのお二人のおかげだと思います」
大切なのは役の気持ち。気持ちがあれば、必ず伝わるのだから
一番大事に教えられたのは、演じる役の「気持ち」を大切にすることだ。たとえば台本のト書きに「泣くミヨ子」とあっても、「これは泣かなくていいからね」と言われた。
「台本に『泣く』と書いてあると涙を流す芝居をしようとするだろうけど、大事なのは気持ちだと。気持ちがあれば伝わるのだから、『泣く』という動作にとらわれてはいけない、まず、この役の気持ちを感じなさいということを教えられました。あそこがあったから、よかったと思っています」