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ワクワク上手な女優 中田喜子さんが語る【俳句の魅力】と【暮らしを楽しむ秘訣】

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ゆうゆう編集部

いくつになっても若々しい人 、 逆に老け込んでしまう人 。 その違いは、いったいどこにあるのでしょう。バラエティ番組「プレバト!!」の俳句コーナーで大活躍の中田喜子さんにとって、今や俳句は一生の楽しみになりつつあります。ワクワクの種を見つけるのが上手な中田さんに俳句の魅力、暮らしを楽しむ秘訣を伺いました。

早朝にパッとひらめいた俳句のアイデア

各界の著名人が隠れた才能を競い合うバラエティ番組「プレバト!!」(木曜夜7時~、TBS系列)。なかでも俳句コーナーは、最近の俳句ブームの火つけ役ともなった人気コーナーなのだが、この番組で、女性初の名人となったのが中田喜子さんだ。そしてついに2022年、1年に4回行われるタイトル戦のうち、夏の「炎帝戦」において、手ごわいライバルたちを抑えて堂々の1位を獲得した。

「思いがけないことに、その瞬間ポカーンとしてしまって(笑)。多くの皆さんから祝福していただいて改めて事の大きさを実感するとともに、喜びが湧いてきました」
そのときの句がこちら。

産声送信ドバイは大夕焼

「兼題は『メール』だったんです。メール受信の画像を見て一句作る、というものだったのですが、ある朝4時半ぐらいに『声を送信』というアイデアがひらめいたんですね。送るものには文字や画像だけじゃなく、声もあるはずだと。そして送るならばおめでたいことがいいと思って『産声』に。さらに送るのにふさわしい都市はどこだろうと思ったら、いつの間にかドバイになったんです」 

海外に住む若い夫婦が、日本で吉報を待つ人たちに子どもの産声を聞かせる、そんな場面が浮かんでくる。

「優勝なんておこがましいと思っていたので本当に驚いてしまったのですが、他の方が画像から広く発想を飛ばされた中で、私は兼題に沿った俳句だったんですね。指導してくださる夏井いつき先生が、その点を評価してくださったようです」

破調がどこまで許されるか ぎりぎりまで挑戦

今や俳句は、中田さんにとって、胸をワクワクときめかせられる大事な楽しみとなった。きっかけは2014年4月、やはり「プレバト!!」に出演したことだった。中田さんは初めて作った俳句を披露する。

春愉し房総の空ひた走る

兼題として画像が提示されるこのコーナー、お題は「菜の花と房総半島の電車」の写真だった。この句で中田さんはいきなり80点を取り、1位という成績を残したのだ。

「全く経験もないまま、出演が決まってから慌てて歳時記を買って作った句なんです。普通、俳句では『愉しい』などの感情を直接表す言葉は使わないけれど、この場合はあとに『房総の空ひた走る』が来る、その中七・下五の取り合わせがよかったようなんです。明るい雰囲気が兼題に沿っているのもいいと夏井先生に言っていただきました」

かつてNHKの「連想ゲーム」という人気クイズ番組で、5代目紅組キャプテンを務めた中田さん。もともと言葉に対する興味は深かった。

「日本語にはこんなにきれいな言葉があるんだなって、いつも俳句を作るときに辞書を引きながら感じるんです。それを使ってわずか五七五の十七音でどこまで表現できるのか。それがやはり俳句の最大の魅力ですね。私は何とかして、これまで知らなかった言葉を見つけては、それを使って表現したい、とこだわって辞書を見るのですが、これだというものがみつかったときは、やはり嬉しい。定型は五七五ですが、その中で破調がどこまで許されるのかギリギリに挑戦しているんですけど、それが上位に入ったときの喜びはたとえようもない(笑)。その喜びを忘れられなくて夢中になっていますね」

いくつもの句帳を目的ごとに使い分けて

こんな句を詠んだこともある。「追風」と書いて「おいて」と読むことを知り、それに季節を彩る「花」を足してみた。

「とき」発車旅憂わしき花追風

夏井さんは「花追風」を季語だと思ってさまざまな歳時記を調べたが、中田さんの造語と知って驚いた。

「私は句会にも出ないし、全くの独学です。ですからできるだけ入門書や解説書をじっくり読んで自分なりの勉強は続けています。Eテレで放送される『NHK俳句』は、毎回録画して、講師の先生の添削や『いいな』と思った言葉はメモして何回も繰り返し見るようにしています。句帳も数冊作って、何でもアイデア書き留めておくもの、夏井先生に質問することを書いておくもの、いつかちゃんとした俳句が詠めたときに書こうと決めてまだ白紙のものなど、使い分けているんです。でも『産声送信』と、『花追風』の句はもう書き込んでもいいかなと思っています」

句作の参考にしている書籍。「プレバト!!」の 指導者である夏井いつきさんと岸本尚毅さんの共著と、藤田湘子さんによる入門書。

句帳は数冊持ち、アイデアを書き留めるもの、 疑問をメモするもの、 認められた句を残しておくものなど、用途によって使い分けている。

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