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「目指すは武田鉄矢さんのようなメンタルです」何歳からだって新しいことをはじめられる!【山田夏子さんのターニングポイント#3】

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ゆうゆうtime編集部

一見聞き慣れない「グラフィックファシリテーション」というお仕事をしている山田夏子さん。朝のニュース情報番組「サン!シャイン」で、ボードに毎日カラフルな絵を描いている人と聞くと「あぁ、あの人!」と思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。最終回では、山田さん流の子供との向き合い方から仕事論までうかがいます。

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癇癪持ちだった幼少期の息子。感情を絵に描いて共有することで、気持ちをわかり合った

――山田さんは幼少期の息子さんとの関わり方にもグラフィックファシリテーションを使っていたと聞きました。

長男は4歳くらいまで、正直育てるのが難しい子供でした。すぐ癇癪を起こすし、こだわりが強くじっとしていられない。将来、小学校の普通クラスに入れるのか心配したほどでした。

そんな長男は小さい頃から絵を描くことが好きで、暇さえあれば絵を描いているような子供でした。そんなある時3〜4歳の頃、彼が癇癪を起こしたんですね。次男が生まれたばかりだったので、赤ちゃん返りもあったのかもしれません。

「目指すは武田鉄矢さんのようなメンタルです」何歳からだって新しいことをはじめられる!【山田夏子さんのターニングポイント#3】(画像2)

〈写真〉よく癇癪をおこしていたという長男くん。絵に描くことが親子のコミュニケーションの架け橋になった。

子供の癇癪ですから、大人が強い言葉で言いくるめることはできます。でもそれでは彼の気持ちを汲み取ったことにはなりません。

そこで私は私も腹をくくって、彼が言いたいことを一緒に絵にしてみることにしたんです。「今の気持ちはどんな色?」「青色」「どんな形をしてる?」「ぐちゃぐちゃした形」「どうしてぐちゃぐちゃになっちゃったの?」というふうに。

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〈写真〉あばれる長男くんと向き合いながら山田さんがグラフィックファシリテーションの要素を生かして描いた実際の絵。

そうやって会話をしながら絵に描きおこしていきます。次第に「さみしかったから」「お母さんが保育園に来てくれないのが嫌だ」などと、態度ではなく言葉で話してくれるようになりました。時には「洗濯物が散らかっているのが気に食わないから」「パンの切り方が思っていたのと違う」なんて理由もありました(笑)。どんな理由であれ、子供には子供の気持ちがあるんですよね。

こうしたやりとりは、息子が小学校に上がるまで続けていました。次第に彼の癇癪を起こす頻度は減って、最後はまったく起こさなくなりました。

――そんな方法があるんですね!グラフィックファシリテーションは、育児にも使えるとは驚きです。

子供の気持ちだけでなく、親の気持ちも絵で伝えるといいですよ。「君が暴れたり、悪い言葉を使ったりしている時、お母さんはこんな気持ちなんだよ」って。

こうやって絵にして子供とコミュニケーションをとる方法は、私の講座でもお伝えしていて教えていて、子育てに悩むお母さんや学校の先生も受講されています。

50歳を過ぎて再就職した気分です

――山田さんにとっての仕事の転機はありましたか。

私は美大を卒業して、最初はバンタンというクリエーターを養成する学校の先生をやっていました。その経験から思ったことが、「若者が社会に出た時、幸せに仕事をするには、まず企業が元気でなくてはならない」ということ。

「目指すは武田鉄矢さんのようなメンタルです」何歳からだって新しいことをはじめられる!【山田夏子さんのターニングポイント#3】(画像5)

〈写真〉バンタンの生徒が、当時の山田さんの様子を描いた絵。

それで組織開発の仕事をするようになり、そのツールとしてグラフィックファシリテーションを使うようになりました。日本ならではの組織特性や課題を反映して、日本独自のグラフィックファシリテーションという仕事そのものを作ったのが、最初の転機でしたね。

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〈写真〉現在、山田さんが代表をつとめる『株式会社しごと総合研究所(しごと総研)』を立ち上げたころ。

次の転機はまさに今。月曜から金曜日の帯番組に出演させていただくことになって、初めてサラリーマンのような生活を送ることになりました。それは規則正しい生活になったという外側の部分だけではなく、仕事の仕方や中身の部分もです。

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