「年金が3階建てor2階建てor遺族年金受給者」で、家計管理は変わる!?今と将来のためのチェックポイントを解説
年金が「2階建て」のB家 十分働いたので、もう家にいたいと言う夫。がんの再発が心配
B家の家族構成
元メーカー勤めの夫(67歳)と、生涯専業主婦である妻(64歳)
同居 なし
※息子(40歳)、娘(38歳)は独立済み、孫3人
B家の家計メモ
・営業職で転勤が多かった夫。60歳での定年後、関連会社で働いていたが、63歳で初期の胃がんが見つかり退職。治療し、体調は落ち着いている。
・Bさんは短大卒業後、勤務経験はない。子ども好きで、現在は学童保育のパート。地方都市に住み、車は2台。
・夫婦の趣味は家庭菜園と登山。孫に会うのが楽しみで、会うとランチ代を出す。
・老後資金2000万円。妻の国民年金の繰り下げ受給を検討中。
・夫のがん再発が心配で、医療保険を継続すべきか悩む。
医療保険は継続してOK
「健康第一で、ムリせず暮らしたい」と言うBさん夫妻。収支はほぼトントンで、畠中さんは「年金生活で大事なのは、年金収入の範囲で暮らすことですが、まさにそれを実践している家計です」と評価する。
妻の年金受給を繰り下げる
夫の年金と妻の収入でほぼ生活できているので、将来のため妻の国民年金の受給を繰り下げ、額を増やすのは、賢い選択だ。「繰り下げの手続きは特になく、年金受給のための裁定請求をしなければ、自動的に繰り下がります。繰り下げをやめる時期も自由なので、体がつらくなって仕事を辞めたら裁定請求をしましょう。ひと月0・7%増えた、その時点の増額率を上乗せした年金がもらえます」
車の買い替え計画を立てる
今後気をつけたい大きな支出が車の買い替え。「免許の返納時期を決め、そこから逆算して買い替え時期を検討しては」。たとえば、妻が75歳で返納する場合、乗るのはあと11年。今の車が2年目なら買い替えずに乗りつぶす、7年目なら5年で買い替えてあとは中古車で、などと予想がつき、予算を柔軟に考えられる。
再発が不安なら保険は継続
夫のがんの再発が心配なBさん。「不安なら、医療保険は解約しないほうがいいですね。解約して再発したら悔やむことになります。将来は誰にもわからないので、後悔しないほうを選んでおくのがおすすめ」
子や孫にかけるお金に注意
孫への援助などが収入の1割と、少し多め。「普段贅沢をしていないので、この額なら大丈夫。今後一緒に旅行も行きたいそうですが、費用を全額出すのは厳禁。一度出すと習慣になり、貯蓄がどんどん減少しますので旅費の援助は控えめに。援助は、進学時などに貯蓄から予算を決めて渡すほうが、貯蓄を取り崩さずにすみ、子や孫にも喜ばれますよ」