「年金が3階建てor2階建てor遺族年金受給者」で、家計管理は変わる!?今と将来のためのチェックポイントを解説
遺族年金受給のC家 ひとり暮らし中。転居? 自宅売却? 大きなお金をどう使う?
C家の家族構成
元自営業の女性(73歳)
同居 なし
※元公務員の夫とは死別。息子(45歳)、娘(41歳)は独立済み、ともに未婚。孫なし
C家の家計メモ
・夫は70歳で脳梗塞を患い、自宅介護の末3年前に死去。
・Cさんは自宅で喫茶店を営んでいたが、コロナ禍で廃業、現在は無職。
・未婚の娘と息子は、就職して東京に在住。
・地元のお祭りやバザー活動などに参加し、小遣いの使い道は交際費が大半。
・5年前に500万円で自宅を介護用にリフォームして、老後資金は1700万円。
・働くのが好きなので、喫茶店を再開するかパートに出たい。
・娘の近くに引っ越すか、自立型高齢者施設に入るかも迷っている。
転居は、子どもの気持ちを聞いてから検討を
C家は、年金収入が月約15万円に対して、1万8800円の黒字。「お金の使い方にムダが少なく、よくやりくりしていますね」と畠中さんも感心する。だが、「喫茶店の再開は失敗すると、老後資金を失うリスクが高く、おすすめできません」とアドバイス。
同居について子の意見を聞く
自宅を売却し娘の近くにマンションを買って住むか、自立型の高齢者施設に入るかが、今の悩み。「まず、娘さんと話し合いを。娘さんのそばなら自分が要介護になっても安心と思っていても、多忙な娘さんの気持ちは違うかもしれません。『近くに住んだら介護の手伝いをしてくれる?』と率直に聞いてみましょう」
自立型の高齢者施設を探そう
施設を探すなら、月の利用料は「遺族年金+最大2万円」に抑えたい。「自立なら自立型ケアハウス、要介護なら介護型ケアハウスを選ぶと、予算内で探せます。娘さんのいる東京の施設は高額ですが、千葉や埼玉なら比較的割安です」
転居するなら、元気なうちに
人と会うのが好きで、地域のお祭りに積極的に参加しているCさん。「今のつき合いを大事に思えるときが、実は引っ越しどき。体力や気力が低下しつき合いが楽しめなくなると、新しい場所で新たな人間関係を築くこともできません。転居するなら元気な今がいい時期です
働くなら短時間のパートで
働くなら、全責任をとる自営業より、体調が悪くなったら辞められる短時間のパートやファミリー・サポート・センターの子育て支援などがおすすめ。「高齢者施設の有償ボランティアも、施設の内情がわかって◎。傾聴や散歩のつき添いなど、内容は多様。公募はしていないので、自分が『いいな』と思う地元の施設に直接問い合わせてみましょう」
※この記事は「ゆうゆう」2023年1月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
※この記事は2024年7月30日に文章構成を変更しました。
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ファイナンシャル・プランナー
畠中雅子
ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。
ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。