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61歳【定年後の自分磨き】フリーアナウンサー吉崎典子さんの「失敗してもいいから、とりあえずやってみる!」

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ゆうゆう編集部

失敗してもいいから、とりあえずやってみる

実は、講談教室に入ったのとほぼ同時期から書道も習っている。

「アナウンス室から他部署に異動になり、9時~17時のサラリーマン生活になったんです。それまで早朝・深夜の番組を担当しているときにはできなかった習い事ができる環境になったので始めてみました」

月1回、夫と一緒に通っている。
「先生からの課題に取り組むために、休みの日は自宅で2人向かい合って書いています。ひと言もしゃべらず、ひたすら書くことだけに集中して『無』になる時間。墨の香りで心が落ち着き、姿勢も正されます」

歌舞伎に講談、書道……。さまざまなことに挑戦している吉崎さんのバイタリティの源は何なのか。

「人間の一生は短いか長いかわからないけれど、その中で新しいことを知るのってすごく楽しいと思うんです。あとは母の影響も大きいかもしれません。私の母は専業主婦で、よく編み物などをしていましたが、編み目を外してやり直しになると『失敗は成功のもと』と繰り返し繰り返し呪文のように唱えていました。1回やり直す努力はしなければいけないけれど、その分、できたときの喜びは大きい。そういう母の姿を見て、失敗してもいいからとりあえずやってみる、やらないよりもやったほうが絶対新しい体験や発見がある、と学んだ気がします」

チャンスがあればとりあえずやってみる。何か1つ新しいことに挑戦すれば必ず発見がある。それが吉崎さんの信条。

「私は人から『やってみない?』と誘われたら、とりあえず乗ってみます。自分に声をかけてくれたということは、何か通じるものがあると思ってくれたということ。ダメだったらやめればいいじゃんという気持ちで、ご縁があったことには全部トライしてみようと思っています」

尻込みせず、失敗を恐れず。そういう姿勢を見習いたい。

「『アナトレ』で、目標に向かって真剣に取り組むキラキラとした大学生たちを見ているとエネルギーをもらえます。『何でもできる』『私ならできる』、怖いものナシの彼らの姿に昔の自分を重ねて、『こうでなくっちゃね』とも。私も『もう年だから』なんて思わずに、まだまだ元気にやっていこうと思えるんです」

リセットのための自分時間

コロナ禍の運動不足解消のために散歩を始めた。

「行けるときは朝1時間くらい、夫と2人で散歩しています。近くに四季を感じられる場所があり、歩くと気分もリフレッシュ」

祖母から母、そして吉崎さんへ、100年以上受け継がれてきたぬか床。「樽は2代目です」。

「作ったぬか漬けはお友達のところに持っていくことも。うりやゴーヤ、たけのこなども漬けています」。彩りも鮮やか!

プランターでの家庭菜園もささやかな楽しみ。「バジルやローズマリーなどを育てています。コロナ禍でおうちご飯が増えたこともあって株を増やしました。便利ですよ♪」

PROFILE
吉崎典子
よしざき・のりこ●フリーアナウンサー
1961年、東京都生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。84年、フジテレビに入社し、アナウンサーとして活躍。2021年に定年退職し、フリーアナウンサーに。現在は「歌舞伎イヤホンガイド」解説者、フジテレビのアナウンススクール「アナトレ」専任講師、ニッポン放送「私の正論」(毎週月曜18:10〜18:20)パーソナリティなど、幅広く活躍中。

※この記事は「ゆうゆう」2023年3月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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