コンタクトレンズを使っている人が老眼になったら、どうすれば良い?
近視でコンタクトレンズを使っている人が老眼になったら……。コンタクトレンズの上に、老顔鏡をONという人もいるでしょう。ただ、老眼鏡をかける時間がふえてくると、不自由さを感じ始めるケースも。コンタクトレンズ使用者の老眼について見ていきましょう。
コンタクトレンズ+リーディンググラスが通用するのは、初期のみ!
近視を矯正するためコンタクトレンズを使っている人が老眼になった場合、いきなり遠近両用レンズを使った老眼鏡を購入するという人は少ないのではないでしょうか? なぜかというと、コンタクトレンズ愛用者は「メガネをかけるのはうっとうしい」「メガネなしの生活が便利」と思っている人が多いからです。
そのため、老眼の初期は手元をよく見るための単焦点レンズを使った老眼鏡を買い足す方が多いでしょう。
ドラッグストアや書店、雑貨店、ネットショップなどでちょっとおしゃれなリーディンググラスが手軽に購入できるので、そうした単焦点レンズ(1ヵ所に焦点が合うレンズ)を利用するというのが、よくあるパターンだと思います。
ところが最初は「レストランのメニュー、化粧品のパッケージの説明文など、うんと細かい字が見えにくいだけ」だったのが、やがて「手元の書類が見えにくい」、「パソコンの字も見えにくい」と、老眼はどんどん進んでいきます。そうすると、単焦点レンズのリーディンググラスの度数も上げないと不自由になってきます。
市販のリーディンググラスはリーズナブルですが、度数が異なるものをいくつも購入して使い分けるのは面倒くさいものです。
見えにくさを改善する方法は4つあります
近視でコンタクトレンズを使っている人が老眼になった場合、見えにくさを改善するための選択肢は次のような方法があります。
1 コンタクトレンズの度数を弱める
コンタクトレンズの度数を弱めると、多少手元が見えやすくなります。
今までと同じようにコンタクトレンズ生活を優先したい方には、このやり方がおすすめ。でもこのやり方が通用するのは、老眼のごく初期の段階です。いずれは、やはり手元を見るための単焦点レンズ、あるいは遠近両用レンズを使った老眼鏡が必要になるでしょう。
またコンタクトレンズの度数を弱めると、遠くが見えにくくなります。運転などで遠くを見るときは、遠くを見る用の別のメガネが必要になることもあります。
2 左右の視力差が大きい場合、左右でコンタクトレンズの度数を変える
近視で左右の視力差が大きい場合、近視の強いほうの側の眼のコンタクトレンズの度数をあえて落とし、遠くを見えないようにして、近くを見る用の眼として使います。そして近視の弱い側の眼をコンタクトレンズで視力を1.0程度に矯正し、遠くを見る眼として使います。
この方法ですと、とりあえずはメガネなしの生活が送れますが、違和感なくできる人とできない人がいます。
また、この方法を素人判断でおこなうことはできません。必ず眼科で相談をしましょう。
3 レンズの上部は度なしで、下部に手元が見える室内用レンズ(Roomタイプ)を入れた老眼鏡を作る
現在使っているコンタクトレンズをつけたまま、老眼鏡(室内用レンズ)をかけるというやり方です。コンタクトレンズで矯正した視力でものを見たいときはレンズの上部の度数が入っていない部分を使い、手元を見るときは手元の度数の入った下部を使ってものを見ます。遠近両用タイプと違って、室内向きにレンズ設計が作られているので、室内で掛け外しなく利用ができ、外出時ははずすなど、まずはメガネに慣れていくのに便利です。
4 遠近両用の老眼鏡に切り替える
「細かい字だけではなく、パソコンの文字なども見えにくい」「メガネをかけたりはずしたりするのが面倒くさい」という方におすすめです。遠近両用のメガネで最近よく使われるのは1枚のレンズに複数の度数が入っている累進屈折力レンズです。
遠近両用の累進屈折力レンズにもさまざまなタイプがあり、それぞれよく見える範囲が異なります。
手元がぼやけて困る人に、おすすめの遠近両用レンズとは? 視力やライフスタイルに合わせた老眼鏡の選び方
「どんなときに、何をきちんと見たいのか」。遠近両用の老眼鏡を購入するときは、自分の希望を細かく伝えて、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが大事です。