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千明と和平は?期待しすぎず最終回を迎えよう!そもそも事件が解決して終わるドラマではないのだから「続続・最後から二番目の恋」10話

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柚野木

小泉今日子×中井貴一の大ヒットシリーズ「続・続・最後から二番目の恋」。11年の時を経て、吉野千明と長倉和平の関係はどう変わった? そして変わらないものとは? 第10話「大人って、立派じゃなきゃダメですか?」のレビューをお届けします。
※ネタバレにご注意ください

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佐久間殿(上川周作)のうっかり発言「書けよ!」が、ここまで役立つことになるとは!「続・続・最後から二番目の恋」9話レビュー

千明に久しぶりにかっこいい姿をみせた和平だが

ジャージ姿の60代が、めっぽうかっこいい。

自分の気持ちを整理できず、子どものようにだだをこね出した千明(小泉今日子)をそっと引き寄せて、「いい年したって、抱きしめてもいいじゃないですか」「泣いていいですよ」と包み込む和平(中井貴一)はおだやかで温かい。自分のわがままを、こんなふうに受け止めくれる人のことを、千明はどう思っただろうか。

時間を巻き戻すと、この日、千明はいつもの女子会で落ち込む出来事に遭遇する。三人で話している最中に祥子(渡辺真起子)に届いたメッセージが、ものすごい「誤爆」だったのだ。職場のスタッフの中で、どうやら祥子をはずしたメンバーで構成されているメッセージグループをつくっているらしく、その中での内密のやりとりが、うっかりミスでこちらに送信されてきた。

メンバー内で最年長の祥子を、若いスタッフがどう思っているか。聴かなくてもおおよその予想はついている。もちろん、自分たちも若いときに定年間近の先輩に対して陰で失礼なことを言ってきた。

でも昔と違って、いまはSNSの時代だ。こんな誤爆で、ろこつに悪口が書かれている文面を当の本人が読むのは、さすがにきつい。

これは祥子のショック体験というより、世の中のすべての先輩たちがギクッとする話だ。千明も、啓子(森口博子)も、さらに見ているこちら側も、自分事として受け止めざるをえない。

ただでさえ、今日は月9企画書を提出した直後で「落ちたらどうしよう」と千明はナーバスになっていた。それに加えて、友人の落ち込む姿を見て、くやしさや、やりきれない気持ちをいっぱい抱え込んで地元に帰ってきた。

だから極楽寺駅で和平に抱擁され、一緒に飲みながら話を聞いてもらえたことでどれほど気持ちが楽になったことか。

そして、この展開にはもう一人、成瀬(三浦友和)がかんでいる。彼がとにかくスマートな大人の行動をとっていて、かっこいい。今回も二人の鎌倉男子に守られる千明、まるでお姫様のように大切にされている。

千明に久しぶりにかっこいい姿をみせた和平だが、市長からの誘いを断ったあとも、すんなり穏やかな生活とはいかないようで、翌日には典子の夫、広行(浅野和之)との騒動が待っていた。

手錠が和平と広行を「一心同体」にしてしまう

広行といえば、妻の典子(飯島直子)との平凡な暮らしに物足りなさを感じたら、家を飛び出して(荒野に出て)思うがままの生活をする変わり者。家族からは非難の的になって、和平もさんざんに言うが、実際のところ、この生き方って、中年のほのかな夢を具現化している側面もあり、その動向が気になる人も少なからずいるように思う。

この義理の弟との久しぶりの対面で、とにかく関わりたくない和平は逃げ、家に帰りたくて、つかまえてほしい広行は和平を追いかける。そこで二人は鬼ごっこを始めて、はちゃめちゃにかけ回るのだが、ここで出てきたのが「飛び道具」。ドラマの小道具だったはずの手錠だ。え?手錠?!

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