【らんまん】教育係が「相棒」竹雄で、まさかの伴侶(寿恵子・浜辺美波)は「オタク心の理解者」なのか⁉︎
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田幸和歌子
朝ドラを見るのが1日の楽しみの始まりとなっている人、多いですよね。数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。より深く、朝ドラの世界へ!
長田育恵作・神木隆之介主演のNHK連続テレビ小説『らんまん』の第6週「ドクダミ」が放送された。本作は、明治の世を天真らんまんに駆け抜けた高知出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにしたオリジナルストーリー。
今週から東京編がスタート。万太郎(神木隆之介)は竹雄(志尊淳)と共に峰屋を離れ、東京で暮らすことに。“ダメ若”万太郎を支える大役を担う竹雄は、万太郎のお目付け役から「相棒」に。二人は万太郎の名教館時代の学友・広瀬佑一郎(中村蒼)の叔父の家を下宿先として紹介してもらい、仕送りをもらいつつ、竹雄が住み込みで働いてお金を工面する予定だった。
ところが、植物標本などの荷物が大量にあるため、捨てて欲しいと言われた万太郎たちは、結局、自分で下宿先を探すことに。実際、筆者の友人にも、古本&貸本マニアで、木造アパートの床が抜けるから出て行って欲しいと大家に言われて引越しした人物がいるだけに、いつの時代もガチオタクの住居問題は深刻だと思う。
大八車に荷物を積んで、下宿を探し歩く二人だが、トランクが盗まれてしまい、質屋に行くと、万太郎のトランクを売りに来た女(成海璃子)と会う。万太郎はトランクを取り戻すことができたが、中は空だったため、標本を探し歩くうち、ドクダミが咲く薄暗い根津の十徳長屋にたどり着く。
そこで万太郎たちが見たのは、トランクを盗んだ男・倉木(大東駿介)が植物標本を燃やそうとするところだ。ギリギリで制止した万太郎は、金を払うから標本を返してほしいと交渉する。
それにしても、今週は、東京に来て「相棒」として万太郎と対等になった竹雄の頼もしさが光る。標本を買い戻そうと倉木に金額交渉を勝手に進める万太郎を「若! 100は大金!」と咎めた上で、「だいたい、おまんが盗ったがじゃないか!」と倉木を責め、覗き見ていたご近所衆を巻き込んで「盗人」と説明し、公然の場に引っ張り出す。
そして倉木に「そんな覚悟で、若が汗水垂らして集めたもんに触れるがじゃない!」と胸倉をつかんで詰め寄る。そこへ先ほど質屋で会った女・倉木の妻が現れ、子どもが熱を出していると聞いた万太郎は、医者を呼びに行かせてその費用を負担。福治(池田鉄洋)ら長屋の住人たちは万太郎と竹雄を夕食に誘い、さらに倉木の借金を肩代わりしている長屋の差配人・りん(安藤玉恵)が医者代を返しに来たことから、万太郎たちは長屋の空き部屋に住むことが決まったのだった。
「誰の目にも入らねえ、入ったとて疎まれ、踏み躙られ、踏み躙ったことも誰も覚えてねえ雑草なんか、生えててもしょうがねえだろうが」と言った倉木に、万太郎は言った。
「雑草ゆう草はないき。必ず名がある!」「わしは楽しみながじゃ。わしが出会うたものが何者かを知るがが。わしは信じちゅうき。どの草花にも必ずそこで生きる理由がある。この世に咲く意味がある、必ず」