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年齢にとらわれている人へ。海原純子さんの“自分を伸ばす力”「年齢を経たからこそ気づけた自分の中の多様性を大切に」

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ゆうゆう編集部

「3対1の法則」で、うつスパイラルを予防

年齢を重ねて生きやすくなった一方で、つらさを感じることももちろんある。

「家族や友達など、大切な人たちとの別れが増えて、喪失感を抱くことが多くなってきました。徐々に体力が低下したり、目の調子が悪くなったりという身体的な変化もあります。あとは、高齢者という枠に入れられるわずらわしさもありますね(笑)」

大切な存在との別離は誰にでも必ず訪れる試練。加齢で体調も変化する。誰だって、いつも上機嫌で過ごすことは難しい。では、ネガティブなことが起こったとき、どう対処したらいいのだろう。

「ポジティブサイコロジーという心理学の中に『3対1の法則』というものがあります。ネガティブなことが1つ起こったら、すぐに3つのポジティブ感情が起こることをやってみましょう。大事なのは『すぐにやる』こと。ささいなことでいいんです」

花を生けてみる、おいしいハーブティーを飲む、猫をなでる、ベランダでストレッチをして深呼吸する、そんなささやかなことでOK。

「一度、うつスパイラルに入ってしまうと、抜け出すことは容易ではありません。そうなる前に、何か嫌なことを言われたり、負の感情が浮かんできたりしたときに試してください。ネガティブ感情をポジティブ感情で上書きする、この応急処置が大事です」

コロナ禍に誕生した新しいスタイルのジャズアルバム

2021年にリリースされた2枚組のアルバム『Then and Now』。

「コロナ禍の中で、これまでにない形のジャズアルバムを制作しよう」との思いから生まれたオリジナル作品と、ジャズのスタンダードナンバーを収録。ピアノ演奏とコラボした海原さんのトークCDつき

PROFILE
海原純子
うみはら·じゅんこ●医学博士、心療内科医、産業医。1952年、神奈川県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。同大学講師を経て86年、日本初の女性クリニックを東京に開設。現在は読売新聞「人生案内」回答者、毎日新聞日曜版「新·心のサプリ」連載執筆中。近著に『こころの見方 いい気分を貯めて暮らしたい』(毎日新聞出版)など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

ゆうゆう2023年06月号

年齢を重ねると、友達との話題はもっぱら体のこと……。血圧や血糖値、コレステロールなど、若い頃は気にならなかったことが増えてきます。『ゆうゆう』6月号、今月の特集は「見逃してはいけない体の不調」。ゆうゆう世代がぜひチェックしておきたい健康診断の数値のこと、体調を司る自律神経のこと、人には聞けないフェムゾーンの悩みのことなど、今、知っておくべき体のことを全力取材しました。健康は、何にもまさる人生の宝物。自分のためにも身近な人のためにも、健康をしっかり守りたいですね。

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