【ラストマン第10話】最後まで小ネタたっぷりの演出を盛り込みつつ、壮絶な家族の物語が描かれる
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田幸和歌子
福山雅治と大泉洋が「無敵のバディ」となって難事件を解決していく、TBS日曜劇場のエンターテインメント。毎回エンディングのアドリブも話題になっています。上川隆也、吉田羊、King&Prince永瀬廉と、共演者も魅力的。数々のドラマのレビューを執筆する田幸和歌子さんに、最終回の「ラストマン」を語っていただきます。(ネタバレにご注意ください。)
福山雅治主演×大泉洋出演×黒岩勉脚本のTBS系日曜劇場『ラストマン―全盲の捜査官―』の第10話が、6月25日に放送された。
泉(永瀬廉)が元捜査一課長の山藤(金田明夫)に刺され、予断を許さない状況に。佐久良班と皆実(福山雅治)たちは真相を明らかにすべく動くが、その矢先に警察上層部から事件の調査をストップするよう指示が出る。
しかし、佐久良(吉田羊)たちはその判断に納得がいかず、捜査を続行。弓塚(石橋蓮司)を黒幕と考えて捜査を続け、事件には暴力団の関与があったことを突き止める。
一方、皆実と心太朗(大泉洋)は、心太朗の実父・鎌田(津田健次郎)を調べていく中である衝撃的な事実にたどり着く。
20代の頃、同じ料亭で働いていた鎌田と皆実の母・勢津子(相武紗季)は交際していたが、客の一人であった皆実の父・誠(要潤)に勢津子は見初められてしまった。自分よりも誠といる方が勢津子にとって幸せだと考えた鎌田は、自ら身を引いたのだった。
鎌田たちの過去について知り、事件の真相に近付いていく皆実たち。そんな中、護道清二(寺尾聰)が弓塚の不正の証拠を提出したことで、弓塚を真犯人として事件が終結しそうになる。
しかし、皆実と心太朗はどうも腑に落ちない様子。清二のウェアラブルウォッチに仕込んだGPSを手掛かりに、清二による鎌田殺害を間一髪のところで阻止する。更にそこから、41年前の事件の真相が明らかに。
誠に正妻がいることを知り、鎌田の元へ逃げ込んできた勢津子。そこから、鎌田と勢津子は再び共に過ごすことになり、その間に二人目の子も産まれる。しかし、幸せな時間も束の間。誠が勢津子を連れ戻しにきたのだ。長男と勢津子が誠の元へと戻り、次男を鎌田が引き取ることに。
その兄弟というのが、なんと皆実と心太朗だった。二人は実の兄弟だったのだ。しかし、皆実が自分の息子ではないと気付いた誠は逆上し、勢津子と皆実を殺害し、その罪を鎌田に背負わせてやろうと画策。
その企みこそが、41年前の事件となったのだった。誠は、鎌田をかばった勢津子を殺害。その後、揉みあいになり、鎌田と皆実は気を失ってしまう。そして、事件を揉み消そうと考えた誠は、清二を呼びつけた。
清二は殺人の隠蔽に躊躇するが、これまでの不正を盾に誠から脅しを受けたことで、誠を殺害してしまう。そして、全ての証拠を消すために現場に火をつけたのだった。