【ラストマン第10話】最後まで小ネタたっぷりの演出を盛り込みつつ、壮絶な家族の物語が描かれる
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田幸和歌子
しかし、残る疑問はなぜ鎌田が自ら罪を被ったのかだ。鎌田は、二人の息子を傷付けないためにどうすればいいのかを考えていた。そんな時、清二から、心太朗を養子として迎えることを条件に、鎌田が罪を被ることで収めるという条件を提示される。息子の幸せを願い続けた鎌田は、こうして嘘の自白をしたのだった。
全ての真実が明らかになった時、ずっと憔悴状態であった鎌田が突然言葉を発する。
「心太朗、腹減ってないか」
病気によってすっかり弱りきり、意識が朦朧とした状態でもなお、息子の心配をしていたのだ。父の優しさを目の当たりにし、心太朗は泣き崩れる。更に、鎌田は皆実の名前も口にする。その表情はとても穏やかなものだった。
鎌田に対し、皆実は「安心してください。私たちは幸せでした。あなたのおかげで、みんなに愛されて生きてきました」と声をかける。すると、鎌田の目からも涙がこぼれる。皆実の言葉は、息子たちの幸せのために自分を犠牲にしてきた鎌田にとって、一番かけてほしかった言葉だったのかもしれない。
SNS上では、「親子のシーンが感動過ぎて嗚咽するほど泣いた」「息子にかける第一声が子どもの頃のままなの泣ける」といった、ラストシーンについての声で溢れていた。
中には、「心太朗は天パを、皆実は良い声を、お父さんから受け継いだのかな」というユニークな考察をしている人も。
最後まで小ネタたっぷりで、演者のファンを喜ばせる演出を盛り込みつつ、壮絶な家族の物語を描いた今作。続編にも期待が高まる。
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