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【ガーデニング】アサガオの豊富なバリエーション。夕方まで花が咲く進化系も!

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光武俊子

夏の庭先やベランダを飾る定番といえるのがアサガオです。小学生のとき以来、育てたことがないという方にも注目していただきたいのが、豊富なアサガオのバリエーション。ユニークな咲き方や開花期の長さなど、見逃せません。

手間なく、夏の庭先やベランダに涼感を

奈良時代に日本へ渡来して以来、親しまれてきたアサガオ。つるを自在に伸ばして咲かせるラッパ型の花は浮遊感があり、日本の夏を涼やかに彩ります。

七夕ごろには各地で朝顔市が催されますが、実際の開花期は7月半ば~10月。短日性といって、日脚が短くなってから花芽をつくる植物なので、意外に秋まで長く楽しめます。

小学校の授業でタネから簡単に育てられた成功体験をお持ちの方も多いことでしょう。5月中旬~6月初旬に大きなタネを直まきして育てられますが、7月中旬から行灯(あんどん)仕立てなどの鉢花が出回るので、さらに気軽に楽しめます。

行灯仕立てVS.緑のカーテン、それとも生垣⁉

数本の支柱に2~3段の輪を固定したフレームに、アサガオやクレマチスなどのつる性植物をらせん状に誘引する仕立て方を「行灯仕立て」といいます。じつはつるの先端をゆっくり旋回させながら、触れたものに巻きつくアサガオの性質を利用した仕立て方で、玄関先などに1鉢あると夏の風物詩としてすてきです。

行灯仕立てには、つるがあまり伸びないコンパクトなタイプの品種がおすすめ。店頭で行灯仕立てで販売されている鉢花なら問題ありません。つるは左巻き(上から見ると反時計回り)なので、伸びたつるは逆らわないように誘引しましょう。

一方、軒先やベランダなどを飾る「緑のカーテン」を作りたいなら、つる伸びのよい品種を選びます。軒先などにネットを垂直ではなく斜めに張り、内側にプランターや鉢を配置。つるが伸びたらひもなどで誘引して、絡んだつるはほどいて誘引し直します。

園芸品種の‘フライングソーサー’や‘ヘブンリーブルー’など、生育旺盛でつるがよく伸びるタイプなら、生垣や外壁などを花で覆うこともできます。さまざまなスタイルに飾れるつる性植物の特性を生かして楽しんでみませんか。

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行灯仕立てのアサガオ

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‘フライングソーサー’(画像提供:サカタのタネ)

お寝坊さんにおすすめ。午後遅くまで咲く西洋アサガオ

アサガオは名前のとおり早朝に咲いて、日が高くなるころにはしぼんでしまうのが一般的です。正確には前日の日没から9~10時間後に開花。夏至のあとは日没が早くなるので開花もどんどん早くなって、9月下旬には夜も明けない午前3時ごろに咲き出します。

一方、つる伸びのよい品種として紹介した‘フライングソーサー’や‘ヘブンリーブルー’は、開花期が8月後半からと遅いものの、午前中だけでなく午後遅くまで花が楽しめます。これらは熱帯アメリカ原産の西洋アサガオ(イポメア属)の園芸品種です。

西洋アサガオは、ソライロアサガオとも呼ばれるように青系の花色が主流。‘ヘブンリーブルー’は「天上の青」とも呼ばれる人気の品種です。西洋アサガオは葉に毛がなくてつるっとしている点で、本来のアサガオと区別できます。

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‘ヘブンリーブルー’(画像提供:サカタのタネ)

プランターとは、ガーデニングにおいて花や植物を育てるための容器のことです。素材はプラスチックや陶器、木材などさまざまで、軽量で移動しやすいプラスチック製が初心者に人気です。ベランダや玄関先など、限られたスペースでも植物を楽しむために適しており、野菜やハーブの育成にも広く活用されています。デザインやサイズも多様で、目的や場所に合わせて選ぶことで、ガーデニングをより楽しく演出するアイテムとして役立ちます。

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つる性植物とは、自らの茎や葉を他の物体に絡ませたり、巻きつけたりして生長する植物のことです。​代表的なものに、アサガオ、クレマチス、スイートピーなどがあり、フェンスやトレリスを利用して立体的な演出が可能です。

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直まきとは、タネをポットなどで育苗せず、直接花壇や畑にまく方法です。​移植を嫌う植物に適しており、間引きを行いながら育てます。 ​

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斑入りとは、白や黄色、クリーム色など、本来の植物の色とは異なる色の模様が入っている状態のことを指します。斑入りの葉の植物は観賞価値が高く、花が咲かない季節でも楽しめますが、日差しが強すぎると、斑の部分が茶色く焼けてしまうことがあります。

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鉢花は、鉢に植えられた花のことで、ガーデニングでは室内外どちらでも楽しめる人気のスタイルです。ベゴニアやシクラメン、ポインセチアなど季節ごとに適した種類が選ばれ、空間を彩ります。移動が容易なので、環境に応じた日光や温度調節が可能で手入れもしやすく、狭いスペースでもガーデニングの趣を存分に楽しめます。

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誘引とは、植物の枝やつるを支柱やフェンスに沿って結びつけ、形を整えたり、日当たりをよくしたりする作業です。生長に合わせて、ひもなどでやさしく固定します。見た目を美しくするだけでなく、花つきや収穫量にも影響します。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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脇芽とは、植物の茎と葉の間(葉のつけ根)から出てくる新しい芽のことで、腋芽(えきが)ともいいます。これを摘み取ることで主枝の生長を促すことができます。

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支柱とは、植物が倒れたり茎が曲がったりするのを防ぐために立てる棒状の補助具。特に生長とともに高さが出る植物や、実が重くなる果菜類、つる性植物などに欠かせない資材です。ガーデニングでは、支柱の材質や形状によって景観にも影響を与えるため、景観に馴染む自然素材のものや色つきのものを選ぶことで、植物の生長を支えつつ庭の美しさとの両立を図ることができます。

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摘芯とは、植物の生長点(茎の先端)を摘み取る作業のことです。枝分かれの発生を促したり、植物の生長を抑えたりする目的で行われます。ピンチとも呼ばれます。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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