【どうする家康】阿茶局(松本若菜)は、家康が駿府にいたころ、好意を抱いていた女性だった?
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鷹橋 忍
酒井忠次の息子の失態をフォローした?
最後に、阿茶局の才知と勇気と優しさを感じさせるエピソードをご紹介しましょう。
ある年の正月、酒井家次(大森南朋演じる酒井忠次の息子)が徳川秀忠の名代として、年頭御礼のため、駿府の家康のもとを訪れました。
その時、家次は烏帽子の下に、綿帽子を着用していました。寒かったのでしょう。
ところが、家治は家康の面前で、うっかり鳥帽子を落としてしまい、綿帽子が見えてしまいました。
これを見て家康は機嫌を悪くし、「若者には綿帽子など無用。もし、東西の諸侯が集る江戸であったら、将軍が外見を失う」と、家次を叱りました。
このとき助け船を出したのが、阿茶局でした。
阿茶局は、家次が風邪をひいていたため、「綿帽子を被って、温かくして登城するように申し上げた」と、家次は阿茶局の差配に従っただけであることを、家康に告げました。
これを聞いた家康は、機嫌を直したといいます(真田増誉『明良洪範』続篇巻之五)。
家康も、家次も、まわりの家臣たちも、阿茶局の機知と優しさに、心打たれたのではないでしょうか。
逸話の真偽はわかりませんが、ドラマの阿茶局なら、きっと同じことをしたでしょう。
阿茶局の今後の活躍が楽しみですね。
鷹橋忍の「大河ドラマの時間」
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