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【食費は月1万円前後】年金5万円で暮らす紫苑さん・72歳。節約のコツは「アスリートも好むあの食材」

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池内かずこ

鶏むね肉やいわしなど、安価な「アスリート食材」をメインに

「月5万円生活が成功した一番のポイントは、食費の節約ですね。この家に移った当初は、息子が土日に帰って来ていたこともあり、肉といえば牛肉や鶏もも肉、魚といえばサーモン。牛肉をたっぷり入れた肉じゃがなどを作っていました。それではひと月3万円あっても足りず、大幅な予算オーバーに。1カ月1万円という低予算でも、健康をサポートする食事をおろそかにはしたくないので、“安く、おいしく、簡単に”をモットーに、健康にもよいメニューを日々考えました」

それまでよく買っていた牛肉や鶏もも肉、サーモンなどはやめて、代わりにメインの食材は、安価でかつ栄養価が高い鶏むね肉やいわし、さばなどにすることに。

「今日の生さばは2尾240円、鶏むね肉は100g69円。1パックを何回かに分けて使うので1食あたり100円以下とローコスト。いわしやさばなどの青魚はEPAをはじめ健康によい成分が豊富です。鶏むね肉はもも肉に比べて脂肪が少なく、低カロリーの高たんぱく質食品。これらの食材は、いわゆるアスリートの方たちが常備する食事と重なるんですね。これらを生かさない手はないと」

食材は買った日に塩麹に漬け込んでおくのがポイント!

生のさばやいわし、鶏むね肉は、液体タイプの塩麹に漬け込んでから、さまざまにアレンジして使う——。それが、食材を2倍も3倍もおいしくする紫苑さんの真骨頂。

「いわしやさば、鶏むね肉は足が速い食材ですが、塩麹に漬けておけば翌日にはほどよい塩味がつき、秋冬なら冷蔵庫で3、4日はもちます。今回は定番のいわしが高かったので、さばをメインにしました」

鶏むね肉をカットして、ポリ袋(アイラップ)に入れて塩麹液に漬けて一晩おき、ポリ袋のまま湯煎します。湯煎で中まで加熱した鶏むね肉を密閉容器に入れて冷蔵庫で保存しておくと、忙しい日でも手軽にアレンジできます。

紫苑さんが見せてくださったのは、その日に炊いたさばご飯と鶏むね肉のフリッター。一人用土鍋の炊き込みご飯の上にはふっくらしたさばがのっていて、いい匂いが漂ってきます。その場で仕上げてくださった鶏むね肉のフリッターを一口お味見すると、外側はサクサク、中はしっとりジューシーで柔らかく、マヨネーズとからし、バジルのディップが効いて、とても節約料理とは思えません。

「鶏むね肉はパサパサしがちですが、塩麹に漬けるとしっとり。ポリ袋(アイラップ)のまま湯煎してから冷蔵庫で保存しておくと、すぐに使えて便利です。粉をまぶして少量の油で揚げ焼きにするだけでフリッターがすぐできます。そのままほぐし、ゴマだれをかけて蒸し鶏風にしてもいいですね」

むね肉を漬けておいた塩麹液は鶏のだしが出ているので、温めて溶き卵をプラス。
「これで1品、卵スープの出来上がり。さばの残りは、塩麹に漬けて焼いたり、南蛮漬けにしたり」
野菜は、安くておいしい旬のものを中心に選びます。

湯煎した鶏むね肉の表面に片栗粉をまぶします。

少な目のごま油で揚げ焼きに。フライパンを傾けて油を集め、返しながら揚げると表面全体がカリッと色よく仕上がります。

チキンフリッターが、5、6分でできあがり。乾燥バジルを振り、ベビーリーフと貝割菜をつけ合わせ、マヨネーズ、からし、バジルを合わせたディップを添えて。

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