頻尿・尿漏れに自宅でできるセルフケア。見直したい7つの生活習慣とは?
頻尿や尿漏れの心配があると、旅行や外出先はもちろんのこと、自宅にいても不自由で不快感が続きます。排尿トラブルはなかなか人に相談しにくいものですね。前回は、男女ともに、頻尿・尿漏れの原因について解説しました。第2回の今回は、見直したい7つの生活習慣について、日本泌尿器学会専門医の髙山美郷さんに教えていただきましょう。
★前回はこちら★
50代、60代は男女ともに頻尿や尿漏れあって当たり前!その大きな要因とは?頻尿=過活動膀胱ではありません。まずは生活習慣をセルフチェック
数年前に過活動膀胱を扱ったテレビコマーシャルが流れていたこともあり、頻尿イコール過活動膀胱だと思っている方が少なくありません。
でも第1回でもお話ししたように、頻尿、尿漏れは水分の摂り方に問題がある場合も少なくありませんし、病気の症状の一つとして現れていることもあります。
「前よりもトイレが近くなったかも」と感じている方は頻尿につながるような生活習慣がないか見直してみましょう。
【1】季節ごとに水分摂取の目安量は異なります
頻尿を訴える多くの人に見られるのが、水分の摂りすぎです。体格により前後しますが、夏は2リットル、春や秋は1.5リットル、冬は1リットルが水分摂取量の目安。
試しに自分が毎日どれぐらいの水分をとっているのか、メモしてみてください。水分を摂りすぎている人は、量を減らすだけでトイレの回数も減らせるはずです。
【2】尿意を招く飲み物を習慣的に飲んでいない?
「1日に飲んでいる水分の量をメモしてみたけれど、目安量より少ない」、「そもそもそんなに水分は摂っていない」という人は、飲み物の種類に問題があるのかも。ふだんどんな飲み物を好んで飲んでいますか?
コーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶、コーラ、エナジードリンクなどはカフェインが含まれています。カフェインやアルコールには利尿作用があるので、尿量が増え、どうしてもトイレが近くなります。
また、柑橘系の飲み物、炭酸飲料、アルコールは膀胱粘膜を刺激する作用があります。頻尿が気になる場合は、これらの飲み物を控えめにするとよいでしょう。
【3】晩酌はほどほどにしましょう
夕方以降、ビールなどのアルコールをたくさん飲むと、夜間頻尿を招く可能性があります。アルコールには、前述のよう利尿作用と膀胱粘膜を刺激する作用もあるからです。
「夜中にトイレに起きる」ことが気になっている場合は、お酒の量を控えめにするとよいでしょう。
【4】寝るまぎわは水分を控える
マチュア世代によく見られるのが「夜中にトイレに行きたくなる」夜間頻尿です。尿意で目が覚めても、その後すぐに眠れるのであれば気にする必要はありません。でも「夜、何度も目が覚めて、熟睡できない」「トイレでいったん目が覚めると、明け方まで眠れない」となると、疲れもとれませんよね。そんなときは寝る直前に水分を摂っていないか、チェック。
「寝ている間にいっぱい汗をかく。だから脱水予防のため、寝る前に水分をとるようにしている」人もいるでしょう。「夜中のトイレ」に悩まされている人は、寝る2-3時間前までに水分摂取をすませるようにしましょう。また、寝室は暑すぎず寒すぎない温度管理も重要です。