1日30分×週5日【頻尿・尿漏れ】に効果のある歩き方とは?
運動不足の人は、骨盤底筋群の筋力そのものが低下するため、尿漏れが起こりやすいといわれます。ではどんな運動がおすすめなのでしょう。また、頻尿・尿漏れなどの尿トラブルと、一見、関係なさそうに思える呼吸法も、じつは関わりがあるのです。鍼メディカルうちだ院長の内田輝和先生に教えていただきましょう。
★頻尿にペットボトル体操★
【頻尿・尿漏れ】にペットボトル体操。お尻をキュッと締める動作がわかりやすいウォーキングで血流をよくすると尿もれや頻尿が改善
運動不足は下半身の血行を悪くします。血行が悪いと膀胱も硬くなって縮むので、尿を十分にためこめなくなります。そのため、尿もれや頻尿がより悪化する場合があるといわれています。
また運動不足になると汗をあまりかかないので、水分のほとんどを尿から出そうとします。これも運動不足で尿漏れや頻尿が悪化する原因になります。
こういう人は、運動をすると尿漏れや頻尿の症状が改善されることがあります。1日30分程度の軽い運動でも、習慣になると血行不良が改善され、尿トラブルを改善させることができるのです。
この30分の運動は、全身を使う運動が向いています。そうした運動の中でおすすめなのが、ウォーキングです。
散歩とウォーキングは違います。軽く息が上がる程度の早歩きが目安で、このペースで歩きます。これを1日30分行うだけです。30分続けてやってもかまいませんし、10分を1日3回に分けて行ってもかまいません。これを週5日以上行います。週5日ですから、雨の日は休んでもいいのです。
ウォーキングをすると、汗が出てきますから、汗による水分代謝がよくなり、その分、尿もたまりにくくなるので一石二鳥です。
忙しくてそれもできないという人は、目的地のひと駅前で降りて歩く、エスカレーターを使わず階段を上る、電車の中では座らず立っている、といったことを心がけると、運動不足が解消できるでしょう。
胸郭呼吸で血流不足を一気に改善
血行不良は、血流が悪くなっていることが根本にあります。運動不足の解消のためにウォーキングなどを始めても、加齢とともに動脈硬化が進んだり、心臓や肺の機能が低下してくると、どうしても若いときよりは血流は低下します。そんな年代の人におすすめなのが胸郭呼吸です。
深呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸の2種類がありますが、胸郭呼吸は胸式呼吸の一種です。そして腹式呼吸は副交感神経を優位にして体をリラックス状態に導くのに対し、胸式呼吸は交感神経を優位にして、体の働きを活発にする作用があります。
また深呼吸をして、肺にたっぷり酸素を送り込むと、血液を通して細胞に新鮮な酸素が送り込まれます。この大切な酸素をもっとも多量にとりこむことができるのが、胸郭呼吸なのです。
「胸郭」とは背骨と肋骨、そして左右の肋骨を前面でつなぐ胸骨で囲まれた部分。そこに心臓や肺などの大切な臓器が収められています。胸郭呼吸は、この胸郭を広げる呼吸法です。
ではどうずれば胸郭が広がるのでしょうか。試しに、手を左右の胸にあててみてください。肋骨があるのがわかりますね。この肋骨の奥が胸郭です。
では胸郭を意識して、息を吸ってみましょう。しかしそれだけでは、胸郭は広がりませんし、大きく息もできないでしょう。胸郭を広げるには、独特のやり方があるのです。
胸郭を広げるためには、胸の筋肉ではなく、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と呼ばれる首の筋肉を使います。胸鎖乳突筋は、胸骨と鎖骨から始まり、耳の後ろの後頭骨へと延びる筋肉です。顔を横に向けると浮き上がって見える筋肉なので、鏡を見ればわかると思います。胸鎖乳突筋がわかったら、胸郭呼吸をやってみましょう。