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「御史(オサ)とジョイ」どんでん返しの衝撃が凄まじい13~14話レビュー【韓国ドラマ】

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marumi

まず、ドクボンを訪ねたジョイの幼なじみのスンユル。娘が自由に生きるためには自分の存在が重荷になる、と頑ななドクボンに、「ジョイと縁を切ったまま朝鮮を発つのと、そばにいてイオンの捜査に協力するのと、どちらがジョイのためか考えてほしい」と懇願する。たとえジョイがイオンの伴侶であっても、幼なじみとして何かしてやりたい、というスンユルの男気が心に響いたドクボンの表情からは険しさが消え、娘を思う母の顔そのもの。ドクボンが“改心”した瞬間だ。

朝鮮時代劇なのに、盛装&盛りメイクの女性が登場しないこのドラマ。ドクボンはじめ、女優たちはほぼスッピンに見えるので、ごまかしがきかない。だからこそ、イチからキャラクターを作り上げる演技力が求められる。とりわけドクボンを演じたペ・ジョンオクの表情には、幸せのために強く生きたいと願う女性の覚悟が滲んでいた。還暦近い年齢というが、実人生を丁寧に歩んできたからこそ生み出せる演技なのだろう。樹木希林さんを彷彿させられた。素敵な女優さんだ。

そして、イオンもテソに“改心”を迫る。「たとえ庶子と思い込み、父に認められたくて悪事に手を染めたとしても、過ちを消すことはできない。やり直したいと思うなら、罪を償うことだ」と諭すイオン。兄と慕った世子の「民が苦しむこの国を変えたい」という理想を受け継ぐイオンの正義感に、テソは目が覚める思いがしたはずだ。

なぜなら、テソは世子の言葉に、“改心”を促された過去があったから。父の命令で、治腫医に扮して烏頭(毒薬)入りの薬湯を飲ませるために参内したテソ。だが、地球儀を見ながら「海の向こうには差別なき国があるはず。もしなければ、この国を作り直せばよいだけだ」と理想を語る世子に共感し、どうしても毒薬を飲ませることができなかったのだ。苦しんでいるのは庶子として差別される自分だけではない。なのにその鬱屈を、他人を蔑み、犠牲にすることで晴らしていなかったか……。

「私が間違っていた」—— イオンに語るテソの表情は肩の荷を下ろしたかのように心ほどけて穏やかだ。世子に毒を飲ませたのは多分ドスだと告白し、父パク・テソが国王と世毒薬殺を密約して治腫医と交わした証拠の誓約書をイオンに託す。

物語はいよいよラストのクライマックスへ。イオンとジョイが生きたかった幸せな世の中を見せてくれるはずだ。

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