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【ブギウギ】人情刑事モノの第24週。高橋(内藤剛志)が差し出す特上カツ丼に犯人号泣

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田幸和歌子

「ブギウギ」第116回より(C)NHK

脅迫犯の正体は、愛子が通学路で出会い、愛子が心を開く大切な存在となった一学年上の男の子、一(井上一輝)の父だった。運命のいたずらのようなベタな展開である。金の受け渡し現場に現れた犯人はその場であっさり逮捕、取調べ室で「父親一人でいろいろ大変だっただろうけどな」「俺が世話してやるから」という人情派ぶりをみせつける一課長、ではなく高橋。とどめにカツ丼まで登場、しかも「お前には特上だ」という優しさで犯人は号泣する。

ちなみに高橋たちが最初に現れたときに、刑事モノのお約束のようなカーテンの隙間から様子をうかがうシーン、犯人逮捕の際の立ち回り、そしてカツ丼と、刑事ドラマの定番すぎる演出が多々あり、途中で「ブギウギ」を見ているのか何なのかわからなくなる瞬間もあったりした。

史実ベース、しかもかなりシリアス要素の強い刑事事件である。しかし、過去にも愛助の死と愛子の出産を重ね、出産にうろたえたり抱き合って喜ぶ坂口(黒田有)と山下(近藤芳正)の様子をはさんだこともあったが、なぜかシリアスなときにベタな演出を盛り込む傾向にあるのがこのドラマのひとつの特徴だろうか。

そのような事情により、一は親戚のもとで暮らすこととなり転校、愛子はせっかくできた友達ともお別れすることになるが、最後に一を高橋が連れてきて愛子に会わせるという粋な気遣いをみせる。大きな出来事がそこには存在したが、二人の友情は壊れない。結果的に事件が子供を成長させた。雨降って地固まる、親子はお互いに「ものごっつええ子や」と笑い合い、めでたしめでたし。

実際に起こった重大な事件とはいえ、なぜか刑事ドラマとのコラボのような空気、そしてそもそも愛子の反抗からできた溝からの和解という大きなテーマもこの週のみにまとめて描かれているため、結果的にまるごとなくても話がつながる1週間となったのは、朝ドラあるあるかもしれない。

次週はふたたび歌手・福来スズ子の世界を中心に描かれる展開になりそう。残り2週、ブギの女王・福来スズ子の行き着く世界はどう描かれるのか。期待したいところだ。

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