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【雑種タロの実話 後編】愛犬が認知症と診断されて、悲しいというより、なぜかうれしい気持ちになった。「本当に長い間、そばにいてくれてありがとう」

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三浦健太

認知症になっても心の絆は続いている

一昔前に比べると、犬の寿命もずいぶん延びました。つい20年ほど前には7歳を過ぎたら老犬といわれ、12歳を過ぎればいつ亡くなってもしようがないと思われていました。今でも、地域によっては10歳を過ぎると保健所から長生きの表彰状が届くところがあります。昔の名残なのでしょう。

この20年で変わったことといえば、まずは獣医学の進歩が挙げられます。次に犬の種類ですが、現代では圧倒的に小型犬が増えています。同時に室内飼いが増えているのも伝染病の予防などには効果があるといえます。愛犬が少しでも長く生きてくれるのはうれしいことですが、老後に現れるいろいろな症状は、飼い方による差もありますが、犬種による差もあるようです。

近年、研究者の間でよくいわれているのが、日本犬(和犬)と呼ばれる犬たちのほうが認知症になりやすいということです。古くから日本の気候や風土になじんできた日本犬特有の食性や消化能力が影響しているのかもしれませんが、確かに、犬の認知症は圧倒的に日本犬に多いのです。昔の日本では、愛犬にはご飯(米)の余りや魚の骨などを与えていました。それに比べて近年のドッグフードの原材料はトウモロコシや鶏肉が主流です。そのような変化の影響もあるのかもしれません。

ただ、時期が来て、動けなくなったり、認知症ぎみになってきたとしても、犬の生の原点である、飼い主さんとの心の絆が消えることはありません。犬の寿命は変えられないのですが、一度築いた飼い主さんとの絆は心の奥底にずっと持ち続けていると信じていますし、信じてあげるべきだと感じています。

※この記事は『犬がそばにいてくれたから』(三浦健太著 主婦の友社刊)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

犬がそばにいてくれかたら

三浦健太著
主婦の友社刊

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