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【光る君へ】右大臣となった藤原道長(柄本佑)。紫式部(吉高由里子)とかつて逢瀬を重ねた廃屋で再会を果たす二人

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志賀佳織

第18回のタイトルは「岐路」。誰にとってかといえば、いよいよ道長である。道長の意思の外で運命は回っていく。一条天皇は次の関白を道兼に決めた。すると父に続き今度は伊周が妹・定子のところへ乗り込む。「そなたは何のために入内したのだ」。すると妹も黙っていない。「もっと人望を得られませ。次の関白に相応しい人物だと思われるために精進していただきたく思います」

しかし、関白就任の日に、一条天皇の前で道兼は倒れてしまう。疫病にかかっていたのだ。結局、関白の座に就いていられたのは7日間だけ。35歳でその生涯を閉じた。その死を知ったまひろにもさまざまな思いが去来する。琵琶を奏でながらこうつぶやく。「あのお方の罪も無念も、すべて天に昇って消えますように……」

内裏では再び次の座を虎視眈々と狙う者が動き始める。詮子は道長夫婦を呼び出して「次はお前よ」と強引に迫る。「お前がならなければ伊周になってしまうのよ」。そんな気はないという道長に「うつけ者‼️」と怒鳴りつける詮子のああ、恐ろしいこと!(笑)

しかし詮子の迫力は止まないのである。寝ている一条天皇のもとへ踏み込んで、「時期関白は道長に!」と恐ろしいまでの勢いで迫る。「母を捨てて后をとるのですか? お上はどんな帝になろうとお望みなのですか。何でも関白にお任せの帝でよろしいのですか!」

大河ドラマ「光る君へ」第18回より ©️NHK

翌日、一条天皇は道長に内覧宣旨を下した。登華殿に乗り込み再び定子を責めたてる伊周。「こうなったら中宮様のお役目は御子を産むだけだ。御子を産め。早く御子を産め!!」

もう黙って聞いていればこの父子、自分の娘や妹を一体何だと心得ているのかと腹立たしい。罵声に耐えている定子を見ると、泣けてくるじゃないか。

道長は右大臣を命じられ、内大臣の伊周を抜いて公卿のトップの座に就いた。一条天皇は関白の座を与えようとしていたのだが、自由に動けなくなることを恐れて道長自身がそれを断っていた。

そしてその夜、道長はまひろと逢瀬を重ねた廃屋を訪れる。そこには先にまひろが訪れていた。道長の頭の中に、かつてのまひろの声が響く。「道長様は偉い人になって直秀のような理不尽な殺され方をする人が出ない、よりよき政をするような使命があるのよ。誰よりも愛おしい道長様が政によってこの国を変えていく様を死ぬまで見続けます」

二人はしばし見つめ合ったのち、何も言葉を交わさず別れていく。この先、また違った形で二人の運命は絡んでいくことになる。物語がさらに加速して面白くなってきた。道長がどんな為政者になるのか、どんなふうに二人が描かれていくのか楽しみだ。

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