【虎に翼】張り詰めた戦いの連続だった本作で、出征前の優三(仲野太賀)と過ごした時間は、初めて見るキラキラした幸せな時間のように描かれた
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田幸和歌子
天命なのだと。雨垂れ石を穿つ。「私しかいない」と思い続けた寅子は、いつか石を穿つための雨垂れの一粒にしかすぎないのか、そう声を荒げる寅子にお腹の子にさわるといけないという返し方をする穂高。
「なんじゃそりゃ……」
寅子の中で何かの糸が切れた。その後も身重の身体をおしながらも弁護士業務を続けていた寅子だが、穂高によって妊娠は雲野たちにも知られてしまう。
「子育てに専念することも大事なことなんじゃないか」
雲野はやさしく提案する。もちろんここには悪意は全く存在せず、よかれと思っての提案だ。
「弁護士の資格は持っているのだから、仕事への復帰はいつだってできる」
穂高もそう説得するが、そんな前例があるはずもなく、復帰できる保証なんてどこにもない。
子供を授かることによって、もぎ取られた翼。運命はあまりにも残酷だ。
「お母さんが言っていた通り、歩いても歩いても地獄でしかなくて」
事務所に辞表を出す寅子。戦時下の大変な状況下ながら、自分の心に蓋をしたかのように平穏な家庭生活を送る日々がやってくる。
前述したように、朝ドラでは出産が大きな出来事として描かれることが多いが、この作品では至極あっさり。出産そのものは描かれず、気づけば寅子は赤ちゃんを抱いていた。これまでのお約束を徹底的に排除する描き方にも新鮮な驚きを感じる。
じわじわ悪い方向に進む戦局は、ラジオの放送や映り込む新聞記事などでさりげなく告げてくる演出により、不気味さが印象づけられる。兄の直道(上川周作)が、轟(戸塚純貴)が。次々出征していく。そしてついに、優三のもとにも召集令状が届く。
夢と仕事を奪われた寅子に、そこに触れずずっと優しく包み続けてきてくれた存在。戦争が優三との日々ももぎ取っていく。
出征前の優三と過ごしたおだやかな時間。それはずっと張り詰めた戦いの連続だった本作で初めて見るキラキラした時間のように描かれた。その幸せな時間が、ささやかながらもわずかなものであるからこそ、強く響く。
戦争によって、寅子を取り巻く人々の運命はどう変化していくのか。第9週の展開が気になるところだ。
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