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【尾上松也さん】年齢を重ねても、舞台への好奇心や情熱を失いたくない。それが今、いちばんの願い

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ゆうゆう編集部

今、最も忙しい歌舞伎俳優のひとり、尾上松也さん。歌舞伎のみならず、ミュージカルやドラマなど活躍の場は多岐にわたる。そんな松也さんが出演する舞台『夫婦(めおと)パラダイス〜街の灯はそこに〜』が9月6日に幕を開けました。一流のエンターテイナーはどんな思いで挑むのか、たっぷり語っていただきました。

PROFILE
尾上松也さん・俳優

おのえ・まつや●1985年、東京都生まれ。
90年、二代目尾上松也を名乗り初舞台。
歌舞伎の他に現代劇やミュージカル、映画、ドラマ、バラエティ番組など、幅広いフィールドで活躍中。
主な出演作にミュージカル『エリザベート』、新感線☆RS『メタルマクベス』disc2、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、ドラマ「半沢直樹」「グレイトギフト」など。

台本を読んで、冒頭から結末までワクワクしました

ドラマに映画、ミュージカル、さらにはバラエティ番組、声優まで。歌舞伎俳優という枠を軽々と飛び越え、幅広いフィールドで活躍している尾上松也さん。さまざまなチャレンジを重ねて進化し続ける松也さんが新たに挑むのが、舞台『夫婦パラダイス〜街の灯はそこに〜』だ。

「最初はまだ台本になる前のプロットをいただいて、『どう思う?』というくらいの会話でした。読んでみると『ちょっと面白い』。そこで『興味ありますね』と答えたら、出演させていただけることになりました(笑)。純粋に面白そうだと思っただけで、まさか本当に舞台になるとは思っていなかったんです。この間、チラシのビジュアル撮影をする際にもまだ信じられず、『本当に上演するの?』と思ったくらいでした(笑)」

日本文学へのリスペクトを込めた人気シリーズ「日本文学シアター」の第7弾。今回は織田作之助の代表作『夫婦善哉』がモチーフとなっている。物語を紡ぐのは、本シリーズで日本文学への斬新なアプローチを続ける劇作家・北村想さん。

「『夫婦善哉』をベースにしていますが、『夫婦善哉』とはまた違う世界観と時代設定。普通の夫婦の物語なのかと思いきや、決してそうではありません。ファンタジックでミステリアス、北村さん独特の世界観が心地よく、冒頭から結末までワクワクしながら台本を読みました。これからのお稽古で、その感覚をどう自分たちの中に落とし込んでいくのか、それも楽しそうだなと思っています」

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何をやっても憎みきれない男を演じます

松也さんが演じるのは、『夫婦善哉』の主人公と同じ名前の柳吉。

「役名は同じですが、キャラクターは少し違うかも。何を言っても何をやっても憎みきれない、どうしても愛されてしまうという人物像は同じですが、『夫婦善哉』の柳吉さんほどクズじゃないと思う(笑)。『夫婦パラダイス』の柳吉さんは少なくともやりたいことが明確にある、そこが大いに違うと思います」

柳吉のやりたいこと-それは「浄瑠璃パンクロック」。

「柳吉は浄瑠璃パンクロックをやるために生きています。僕も以前から、ロックやパンクの旋律やリズム感、そして音楽そのものが歩んできた道のりなどが伝統芸能、特に歌舞伎と相性がいいと思っていまして、いつか『パンクロック歌舞伎』を上演したいと思っていました。ですので柳吉の気持ちはすごく理解できます」

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