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【羽田美智子さん】家業を継いで6代目「羽田甚商店」当主に。「これからも自信をもって薦められるもののみを扱いたい」

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ゆうゆう編集部

両親から継いだ家業「羽田甚(はだじん)商店」を、ECセレクトショップとして再開した羽田美智子さん。自身の足で探して、目で見て、手で触れて、舌で味わって、これと思うものを扱ってこのたび商店は5周年を迎えました。全国を歩いてアイデアを生み出す羽田さんは、次の目標をどこに置いているのでしょう。また俳優業について描く未来は──。今思うことを聞きました。

PROFILE
羽田美智子さん・女優

はだ・みちこ●1968年茨城県生まれ。88年デビュー。
映画『RAMPO』のヒロイン役で第18回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。
以後、映画、テレビドラマで活躍。
主な出演作に「特捜9」シリーズ、「おかしな刑事」シリーズ、「花嫁のれん」シリーズ、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」など。

商品の質の高さにはとことんこだわって

羽田美智子さんが俳優業のかたわら家業の屋号を引き継ぎ、6代目当主として羽田甚商店を開店したのが2019年4月。実店舗を持たずにネット通販のみで展開するスタイルであるにもかかわらず、このセレクトショップはたちまち話題を呼び、今年で5周年を迎えた。

その人気の秘密は何といっても、徹底的にこだわり抜いた商品の質の高さにある。扱うジャンルは食品、雑貨、衣料と多岐にわたるが、いずれも羽田さんが自身の足で探し、味わい、使って「これだ」と自信をもって薦められるもののみを扱っている。ホームページには生産者たちとの対談も掲載されている。

「大事にしてきたのは、商品選びですね。私がなかなか『イエス』って言わないから、商品が増えていかないと言われたりもするんですけど(笑)、妥協はしていないと思います。年を重ねると食べ物にしても、量より、季節のおいしいもの、質のいいものをいただくのが満足につながると思うんですね。食材だけでなく調味料もいいものを使うと、おいしく感じるし、すごくいい循環が生まれる感じがするんです。一食一食が粗食なのだけれども粗くはならない。目指してきたのはそこでしょうか」

(衣装クレジット)ワンピース6万4900円/マレーラ(三喜商事☎03-3470-8233) ブーツ10万5600円/ネブ ローニ(nebulonie.jp) パールイヤリング13万2000円、パールネックレス7万9200円、重ねたダイヤモンドネックレス14万3000円、リング(左手人さし指)22万円/以上シンティランテ(イセタンサローネ 東京ミッドタウン☎03-6434-7975)

しょうゆを造る過程を知ると、味わい方が変わる

お店はSDGsということがいわれる少し前から始めたが、すでにその概念はあった。残ってほしい各地の産業、職人を応援したい、日本のいいものを残したいという思いが、起業したひとつの理由でもあったのだ。

「木桶を作る職人さんも竹細工の職人さんも、後継者がいないという問題を抱えています。今まで当たり前に手に入った手仕事の品が、当たり前ではなくなってきてしまっているんです。そう聞くと、この日本の伝統的なものを残していかなきゃという思いがすごくありますね。おしょうゆ造りも作業を現場で見ると、一度に大量にではなく、本当に一滴一滴生まれてくるのがわかるんです。すると、お刺し身を食べた後小皿に残ったおしょうゆも、捨てられなくなってくるんです。幸い仕事で各地を訪れる機会があるので、足を延ばしてはピンときたものの生産者さんにお会いして、ということをやっています」

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