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【クリスマスローズの苗、土、鉢の選び方】園芸店のスーパーバイヤーが伝授!

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園芸ガイド編集部

苗選びの注意点は?

園芸店の売り場で、花が気に入った苗が何ポットかあったら、何を基準に選ぶといいのでしょう。

「クリスマスローズは、葉の出方を見比べてみましょう」

「写真左の苗のように葉数はたくさん出ていても葉が小さかったり色があせている株は、やや栄養失調ぎみ。右の株のように、数は少なくても大きくしっかりした葉が出ている株を選びましょう」

並べて見比べてみると、右の株が元気なことがわかりますね。

はじめて育てるならどんな品種?

クリスマスローズがはじめての方には、管理しやすいガーデンハイブリッドをおすすめします。ガーデンハイブリットとは園芸交配種のこと。

【クリスマスローズの苗、土、鉢の選び方】園芸店のスーパーバイヤーが伝授!(画像7)

ガーデンハイブリッド。色、花形などバラエティーに富んでいます。

「その大きな理由は、ガーデンハイブリットは夏場の暑さに強いこと。翌年以降も花を楽しむには、夏越ししやすいほうがやはり楽ですし、枯らしてしまうなどのリスクも少なくなります。花のバラエティーも豊富なので、選ぶ楽しみもありますよ」

原種は栽培しやすいものもありますが、全般的に管理に少し注意が必要です。まずガーデンハイブリッドを育てて、栽培に慣れたところで挑戦してみるとよいでしょう」

庭植えで楽しみたい場合は?

「庭植えにするなら、1〜2年、鉢で育ててある程度大株になってからのほうが安心です。植えつける場所は、夏場に半日陰になるような場所(冬は日が当たる落葉樹の下など)が理想的です。一年を通してどんな環境か、よく観察してから植えましょう」

植えつけは、40㎝程度の深さの穴を掘り、よく耕します。クリスマスローズ専用培養土と元の土とよく混ぜてから苗を植えつけます」

【クリスマスローズの苗、土、鉢の選び方】園芸店のスーパーバイヤーが伝授!(画像8)

夏は落葉するヘレボルス・トルカータス(原種)。排水性のよい土壌なら栽培も可能。

夏越しはたいへん?

「クリスマスローズは暑さに弱いと言われていますが、管理に気をつければ夏越しも難しくありません。ただ夏の暑さと蒸れは苦手ですので、鉢を半日陰や風通しのよい場所に移し、寒冷紗などで強い日差しを遮るなどしましょう。

水やりも土の様子を見ながら行い、乾きぎみだったらやるようにし、過湿にしないように注意してください」

【クリスマスローズの苗、土、鉢の選び方】園芸店のスーパーバイヤーが伝授!(画像9)

地植えにするなら、夏に半日陰になるような落葉樹の株元に。鉢植えも夏場はそういう場所に移動するなど対策を。

【クリスマスローズの苗、土、鉢の選び方】園芸店のスーパーバイヤーが伝授!(画像10)

日差しを遮ることができる寒冷紗。日差しの強い夏場だけでも使うとよい。

鉢植えの楽しみ方は?

クリスマスローズは単植でも存在感のある鉢植えとして楽しめますが、栽培に慣れてきたらリーフプランツとのシンプルな寄せ植えもおすすめです。

株元の土も隠れますし、彩りもきれいです。そのほか、鉢選びにこだわったり、花色に合わせ好みの色にペイントしてみるなど、アレンジの方法はいろいろ。堅苦しく考えずに、草花感覚で気軽に楽しんでみてください」

【クリスマスローズの苗、土、鉢の選び方】園芸店のスーパーバイヤーが伝授!(画像11)

鉢をスモークカラーにペイントし、ワイヤープランツ‘スポットライト’と寄せ植えに。

【クリスマスローズの苗、土、鉢の選び方】園芸店のスーパーバイヤーが伝授!(画像12)

デザイン性のある鉢を選んで単植に。小さな1鉢でも存在感は十分です。

※この記事は『クリスマスローズの咲く庭づくり』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

※2022年10月30日に配信した記事を再編集しています。

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監修者
神藤直行

「金久」スーパーバイヤー

大阪府泉佐野市の園芸店「金久」で花苗の仕入れなどを担当するスーパーバイヤー、通称「お兄さん」。植物全般の幅広い知識と販売経験をもつ。みずから全国のナーセリーまで直接足を運び仕入れているクリスマスローズの品ぞろえは圧巻。

大阪府泉佐野市の園芸店「金久」で花苗の仕入れなどを担当するスーパーバイヤー、通称「お兄さん」。植物全般の幅広い知識と販売経験をもつ。みずから全国のナーセリーまで直接足を運び仕入れているクリスマスローズの品ぞろえは圧巻。

クリスマスローズの咲く庭づくり

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珪酸塩白土とは、珪酸(シリカ)を主成分とした天然の白い粘土鉱物で、土壌改良材や病害虫対策として使われます。通気性や排水性を向上させるだけでなく、葉面散布することで害虫の行動を抑制し、病気の予防にも効果があるとされています。自然由来の資材であるため、無農薬栽培や有機栽培を志す人にも好まれており、家庭菜園やバラ栽培など幅広い場面で活躍します。

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スリット鉢とは、側面に縦の切り込み(スリット)が入った植木鉢のことです。このデザインは通気性や排水性に優れており、根が鉢の内側で渦を巻かず、健康的に育つ環境を提供します。特に観葉植物やミニバラなどガーデニングで根の管理が重要な植物に適しています。初心者から上級者まで扱いやすく、植物を元気に生長させるための便利なアイテムです。

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素焼き鉢とは、粘土を600~900℃で焼き上げた多孔質の鉢のことです。通気性や排水性が高く、植物の根に優しい環境を提供します。そのため、水分調整が必要な多肉植物やサボテン、観葉植物の栽培に適しています。また、自然な風合いが楽しめるため、ガーデニングや室内インテリアにも人気です。ただし、吸水性が高いため定期的な水やりが欠かせません。長期間使用する場合は、冬の凍結などで割れたり、ヒビが入ることがあります。

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植え替えとは、鉢植えや地植えの植物を別の場所や容器に移して育て直す作業を指します。生長に伴って根詰まりを起こしたり、用土の養分が不足したりした場合に必要で、植物の健康を保つために欠かせない手入れのひとつです。時期としては休眠期や生長初期が適していて、新しい用土や大きな容器、広い場所に植え替えることで根の活性化を促します。根の状態を確認しながら丁寧に行うことで、再び元気に育ちやすくなります。

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植えつけとは、苗や苗木、球根などを土に植える作業のことを指します。適切な時期や深さを守ることで植物の発芽や発根が促され、順調な生育につながります。植物ごとに適した用土が望ましく、植えたあとはしっかり水やりをして根づかせることが大切です。植物の種類によって用土の種類や肥料の施し方が異なるため、事前に育て方を確認しておくと安心です。

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寄せ植えとは、複数の植物を1つの鉢やプランターにまとめて植えることです。花の色や形、高さのバランスを考えることで、美しいアレンジが楽しめます。同じ環境を好む植物同士を組み合わせるのがコツです。季節ごとに植え替えれば、年間を通じて楽しめる人気のスタイルです。

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鹿沼土とは、栃木県鹿沼市周辺で産出される火山性の軽石土です。黄褐色で粒状の形をしており、通気性と排水性に優れています。おもに山野草、盆栽、サツキ、ランなどの栽培に使われ、根腐れを防ぐ効果がある一方、保肥力はあまり高くないため、他の用土とのブレンドが一般的です。無菌性が高く、清潔な土壌としてタネまき用にも重宝されることから、園芸初心者にも扱いやすい用土の一つです。

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赤玉土とは、関東地方の火山灰土壌から採取される粒状の土で、園芸用の培養土として広く使用されます。通気性と保水性、排水性のバランスがよく、単独で使用することも他の土と混ぜて使用することもできます。粒の大きさにより小粒・中粒・大粒に分類され、植物の種類や用途に応じて選ぶことができます。

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落葉樹とは、秋から冬にかけて葉を落とす樹木のことです。紅葉や黄葉を楽しめる種類が多く、サクラ、カエデ、イチョウ、カエデ、イチョウなどがその代表例で、ガーデニングにも人気があります。落葉することで冬場の水分消費を抑えるなど、自然界での適応力もポイントです。

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腐葉土とは、落ち葉や枯れた植物の枝などが微生物の働きによって分解され、ふかふかの土状になったものです。ガーデニングでは、土壌改良材として使用されることが多く、通気性や水はけを向上させ、植物の生長を助ける効果があります。また、有機物を豊富に含むため、植物にとって優れた栄養源となります。手作りも可能で、落ち葉を積み重ね適切に管理すると約半年~1年で完成します。庭づくりやプランター栽培にも非常に役立つ、自然の恵みを生かした便利なアイテムです。

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寒冷紗とは、綿や化学繊維でできた目の粗い布で、植物を日差しや霜、害虫から守るために使います。目の粗さや色の違いで、遮光率が変わります。

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宿根草とは、一度植えると毎年花を咲かせる植物のことです。冬に地上部が枯れても地下部が生き続け、翌年再び芽を出す植物を指すことが多いです。​

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夏越しとは、暑さに弱い植物を夏の高温や強い日差しから守り、元気な状態で夏を乗り切らせる管理のことです。鉢を日陰に移動する、風通しをよくする、水やりを工夫するなどの対策が必要です。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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二番花とは、植物が最初に咲かせた花(一番花)のあとに続いて咲く花のことを指します。一部のバラやクレマチスなど、繰り返し咲くタイプの植物が代表例です。一番花の後に剪定や肥料を適切に施すことで、二番花をより美しく咲かせることができます。ガーデニングでは長い期間花を楽しむために、この二番花を咲かせることがポイントとなります。

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根鉢とは、鉢植えの植物を鉢から抜いたときに、土と根がかたまりになっている部分のことを指します。

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株元とは、植物の茎が地面と接するあたり、根元の部分を指す言葉で、水やりやマルチング、病害虫の発生チェックなど園芸作業の上で注目すべき場所です。特に多年草や樹木では、株元の通気性や湿度が健康維持に大きく関係し、落ち葉や腐葉土のたまり過ぎによって蒸れたり、カビが発生するリスクもあるため注意が必要です。冬越しや剪定後の管理でもポイントになる場所です。

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原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

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交配とは、異なる個体間で花粉を授受させ、種子を作らせることを指します。自然界では風や昆虫によって行われることが多く、人為的には望ましい性質を持った植物同士を選び、花粉を人工的に移すことで、新たな品種づくりや改良が行われます。例えば、花色や香りの強いバラや、実の大きなトマトなどは、長年の交配によって生まれたものです。家庭園芸でも、自家採種やオリジナル品種の作出を目指す際に、交配は魅力的な技術の一つです。

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