【南果歩さん・60歳】50代で患ったがん、そしてうつ病…どう乗り越えた?入院中、頼りにしていたものも
1984年創立のヘアウィッグメーカー、スヴェンソン。今回はレディス スヴェンソン新ブランドアンバサダーに俳優の南果歩さんが就任しました。自身もがんを患った経験から、ヘアウィッグの有用性を感じているという南さんの「不調」に対する乗り越え方とは?前3回のインタビューの最後は、他では聞けないリアルトークお届けします。
▼第2回/お友達への返信は?▼
【南果歩さん】「実はお友達にひどいことしちゃいました…」南さんがLINEの返信に添える一言とは?
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南果歩 ●みなみ・かほ
女優。映画『伽耶子のために』のヒロインでデビュー。テレビや映画、舞台で幅広く活躍。Apple TV+ 『PACHINKO season1』では、メインキャストとして出演し、「第38回インディペンデント・スピリット賞」にてクリティックスチョイスアワードを受賞。
近著にエッセイ「乙女オバさん」(小学館)、絵本「一生ぶんのだっこ』(講談社)
来年公開の映画に「君の忘れ方」「ら・かんぱねら」「Rule of living」台湾映画「腎上腺」
人生いつでも明るく楽しいわけではない
前回は人間関係について伺いましたが、今回は「体の不調」「メンタルの不調」に対する南さんなりの対応の仕方をお伺いしたいです。52歳でがんをわずらった南さんですが、体調だけではなく、メンタルも崩されたとおうかがいしています。そういった経験から、乗り越え方などご自身で身に付けた術などはありますか?
「やっぱり、人生いつでも春や夏のように明るく楽しい季節ではないということですね。嵐もくるかもしれない。そしてその嵐の渦中にいたら、収まるのを待つ。無駄にじたばたしても脱出できないことの方が多いと思うんです。
もちろん許せないことや、やるせないことたくさんあります。でもじっと待つことが、アクティブじゃないとも思いません。どちらかというと、別のいいことが巡ってくる時のための準備期間ととらえています。そうですね、本を読んだり、興味のある分野の勉強をしたり。映画やアートを鑑賞したり。実はインプットするためのいいタイミングだと思うと、これも悪くないって」
実際、がんに罹患された入院中などはどうでしたか?
「私は入院中、もう人に頼りっきり(笑)。例えば術後のメンテナンスもそう。胸の手術だったので、マッサージの方に来ていただいて、このあたり(肩から胸を指しながら)を施術していただいて。肩が上がりにくくなってしまったんですけど、すごく楽になりましたよ。そうやって調子が悪い時は、無理に頑張りすぎない。上手に他力本願でいいと思うんです」
60歳。灼熱の中、念願の地へ…!
無理にあらがわないということですね。そうしましたら、最後の質問です。現在60歳の南さん。今から始めてみたいことや、やってみたいことはありますか?
「それはもう行ってみたい“場所”がたくさんあります!本当は60歳の誕生日は私ピラミッドで迎えるはずだったんです。でもガザの紛争があったのでエジプトの方にも難民の方がたくさんいらっしゃって……。いまではないと思いました。良いタイミングでスフィンクスも観たいし、カッパドキアにも行きたいです。
でも1つ今年目標達成できた場所があって、それが念願のアンコールワットでした。5月で、170年ぶりの熱波が来ていて、毎日42度(!)くらいありましたけど(笑)。今回はたまたま知り合った方がプノンペンでNGOを運営されていて、スラムの子供たちや日本語を勉強している学生さんとの交流をされていたんです。そこで私、絵本の読み聞かせのボランティアもさせていただきました」
ぜひ、私をエジプトへ連れて行ってください(笑)…!
南さんは、かねてから読み聞かせの活動もされてらっしゃいますもんね。現地の方との交流もすごく楽しそう。雑誌「ゆうゆう」やゆうゆうtimeの読者さんも非常に旅人気が高いんですよ!
「そうなんですね!!ぜひ、何かの企画で連れて行ってください、エジプトに(笑)。行きましょうよ。私たち世代、皆さんやっぱり旅好きですよね!」
辛いことや悲しいこともたくさんあったはずなのに、終始チャーミングな笑顔を絶やさない南果歩さん。その前向きな姿勢を見ていると、周囲が彼女のことを好きになってしまうのも納得できます。そしてその言葉には「今を生きるヒント」が詰まっている気がしました。
撮影/三角茉由
南さん着用グレーニット、スカート/ともにEAUVIRE ブーツ/NoName
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