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【黒木瞳さん】が語る「ベルばら愛」。劇場アニメの声の出演に「ひと言でもいいから!」と立候補

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ゆうゆう編集部

半世紀以上にわたり熱狂的な支持を受け、今なお読み継がれている漫画『ベルサイユのばら』。宝塚でも上演され一大ブームともなった同作が、このたび劇場アニメとして公開されます。そして、そのナレーションを務めるのが、元タカラジェンヌの黒木瞳さん。熱い「ベルばらファン」を公言する黒木さんに、その「ベルばら愛」について聞きました。

PROFILE
黒木 瞳さん 女優

くろき・ひとみ⚫福岡県出身。
宝塚歌劇団退団後、1986年『化身』で映画初主演。
97年『失楽園』で第21回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。
2016年に映画『嫌な女』で監督デビュー。
21年『甘くない話~ノン・ドサージュ~』で舞台演出も手がけた。
25年1月24日より自ら企画・脚本・演出を手がけた朗読劇『ルビンの壺が割れた』に出演。東京公演のあとは2月に長崎・福岡・宮崎・大分・熊本・鹿児島と九州各地で公演予定。

「民衆の一人でもいいから」と自分から立候補しました

女優業だけでなく、近年は映画監督や舞台の演出、脚本など、その才能をさまざまな分野に広げて活躍中の黒木瞳さん。今回挑んだのはナレーションだ。しかもその作品は、あの不朽の名作『ベルサイユのばら』の劇場アニメだというから、これはもう興味を引かれずにはいられない。連載開始から50年以上を経て、完全新作として甦った同作は、2025年1月31日より全国公開される。原作は、今なお世代を超えて読み継がれ、熱狂的なファンも多い。黒木さん自身が何より「ベルばら」ワールドの大ファンを自認する一人だ。

「今回こういう作品を制作中というお話を聞いたときに、とにかく『民衆の一人』でもいいから出演させてほしいと手を挙げてお願いしたんです」

なんと黒木さん自ら「どんな役でもいいから」と出演を願い出たのだ。まさかの逆オファーに制作サイドは湧き立ち、物語の進行の要となるナレーションを黒木さんに依頼するに至った。願ってもない申し出だった。

「高校生のときに福岡で宝塚の舞台を初めて観たのですが、それが『ベルサイユのばら』のオスカル&アンドレ編でした。つまり宝塚を知ったのがこの『ベルばら』を通してだったんですね。以来、この華やかな世界と壮大なドラマに魅了されてきました。残念ながら、私が宝塚在籍中には演じる機会がなかったので、今回は『ひと言でいいから参加させて!』とお願いしたんです。そうしたらナレーションという大役をいただいて、『私なんかでいいの?』と逆に恐縮してしまいました」

今作もオスカルとアンドレ中心の構成になっている。そこも参加したい理由の一つだった。

「マリー・アントワネットが輿入れしたところから、1789年の革命に至る、いわばいちばんお客さまに没頭していただけるところが集約して描かれているので、初めてご覧になる方でも十分楽しめます。何より作品が緻密。時間経過とともにオスカルの髪の毛が長くなっていったり、声優さんの声が少女、少年からきちんと大人に変化していくんです。やはりプロフェッショナルの仕事だなと感動しましたね」

オールドファンの期待は裏切らず、音楽を使った演出が施されるなど、新たな風も吹く仕上がりになっている。物語をつなぐ黒木さんの声は穏やかに、かつ凛と史実を伝えていく。これは大画面で楽しみたい作品だ。

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