記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】育てて楽しいハーブ【マートル】の栽培方法と活用アイデア2選

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

「ハーブは暮らしに役立ててこそ、楽しい!」と話すのは、長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さん。本連載では、毎回1種類のハーブを取り上げ、栽培方法や活用方法、歴史などを教えていただきます。今回は【マートル】です。

本連載の他、桐原春子さんの記事
桐原春子さんの育てて楽しむハーブ生活

祝祭に使われてきた【マートル】

西洋では古くから祝祭に用いられてきたマートル。うれしいことがあった日や希望をもちたいときに飾ったり、使ったりして、日々の暮らしに明るさを添えましょう。

別名/ギンバイカ(和名)、イワイノキ、ギンコウバイ 
科名/フトモモ科 
性質/常緑低木 
樹高/3~4m

結婚式のブーケにも使われる「愛の象徴」

マートルは地中海沿岸や西アジア原産の常緑低木で、ヨーロッパでは古くから庭木や生け垣に利用されてきました。葉に芳香成分を含む油腺があり、軽くたたいたり、もんだりするとフルーティーな香りが漂います。

「マートルは神話では美の女神・ビーナスの木とされ、西洋で愛の象徴と見なされてきました。紀元前4世紀のマケドニア王国ではマートルをかたどった金冠が作られています。英王室ではビクトリア女王がマートルを愛し、離宮で育てていました。その木が今も受け継がれ、キャサリン妃のウエディングブーケにもマートルが用いられました」と桐原春子さん。

日本では珍しかった40年前からマートルに惹かれ、ビクトリア女王の離宮も訪ねて苗を育ててきました。

「何といっても緑の葉が素晴らしく、幹の色もオレンジがかった茶色で素敵です。この花が咲いたら家が幸せになるという言い伝えもあるんですよ。だからたくさん挿し木をして親しい人に分けてきました」

桐原さんはフレッシュな枝をブーケの材料にしたり、葉をドライにしてポプリに使ったりとクラフトに活用。食用にすることはありませんが、ローストした肉を葉とともに包んで香りを移したりするそう。

「イタリアでは熟したマートルの実を使ったミルト酒というお酒も」

丈夫で育てやすく、鉢栽培も可能

栽培は容易で害虫の被害も少ないハーブ。木が育つと花つきがよくなります。

日当たりを好み、耐寒性はやや弱いので、寒冷地では冬は暖かい場所に取り込むのがおすすめ。挿し木は、寒い時期には室内で、それ以外は軒下で可能。

「多くの詩や絵画に登場する木なので大切に育てて楽しみましょう」

花も常緑の葉も美しい

マートルの苗を陶器の鉢に植え、土の表面を水ごけでカバー。先がとがった小さな卵形の葉はつやつやと美しく、樹形を整えながら育てていく楽しみがあります。

夏には丸い蕾がふくらんで、糸のようなしべをもった純白の花を多数咲かせます。

八重咲きとは、花びらがたくさん重なって咲く花のことです。通常の花よりも華やかでボリュームがあり、豪華な印象を与えます。バラ、ダリアなど、多くの植物に八重咲きの品種があります。

詳細を見る

挿し木とは、植物の枝、葉、根などを切り取り、土にさして新しい根や芽を発生させる繁殖方法です。​この方法は、親株の特性をそのまま引き継ぐため、同じ性質の植物をふやすことができます。

詳細を見る

寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

詳細を見る

樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

詳細を見る

樹形とは、樹木の全体的な形や姿のことで、自然に育ったままのものから、人の手によって整えられたものまで、さまざまなスタイルがあります。たとえば「立ち性」「横張り性」「ほうき状」などがあり、ガーデニングでは庭のデザインやスペースに合わせて選ぶことが多いです。また、剪定によって希望の樹形をつくることも可能で、生け垣やシンボルツリーなどにおいて重要な要素となります。理想的な樹形を保つためには、生長の段階に応じた手入れや剪定が欠かせません。

詳細を見る

低木とは、一般的に高さが約2メートル以下の小型の木を指します。ガーデニングでは庭の縁取りやアクセントとして使われることが多く、ツツジやユキヤナギ、ローズマリーなどが代表的です。剪定がしやすく、生長も制御しやすいため、初心者にも扱いやすい特徴があります。また、低木は季節ごとの花や葉の変化を楽しむことができ、庭に四季折々の彩りをもたらします。

詳細を見る
画面トップへ移動