50代女性「健康診断ではじめて発覚…」血圧やコレステロール値の問題、そして脂肪肝。内科医がすすめる今日から始められることとは?
さまざまな不調があらわれる50代。健康に関する疑問に医師がアドバイスします。前回は、「耳鳴り」について、耳鼻咽喉科医に伺いました。今回は、「血圧やコレステロール値が今までにない数値になった!」という、健康診断のお悩みについて。内科医の石原新菜先生に伺います。
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Q
「今まで血圧のことは気にしたことがなかったのに、健康診断で血圧が高めといわれました。閉経のせいでしょうか?」
A
更年期前後は筋肉が減る、女性ホルモン量が減ることで、さまざまな検査値に影響が出やすいのです
筋肉の量が減って太りやすくなる時期!
女性も男性も20歳ぐらいが最も筋肉量が多く、免疫力も高くて元気です。体温の40%は筋肉が作っているので、筋肉が減ってくると低体温ぎみになります。低体温=低代謝なので、若い頃と同じように食べていると太りやすくなります。
女性ホルモンも代謝に関わっているので、閉経して分泌量が減ってくると低代謝になり、太りやすくなります。
つまり更年期あたりは筋肉も落ちる、女性ホルモンも下がる、とダブルパンチを受けて、誰でも太りやすくなる時期なのです。太ると動脈硬化が進みやすくなる、コレステロールも上がりやすくなります。動脈硬化が進むと血圧も上がってきます。
ですから「血圧が高くなったのは、閉経のせい」と言えば、確かにそう。でも併せて、筋肉の量が減っていることも大きな一因だということを覚えておきましょう。
たいていの場合、「血圧が高め」でも、どこかが痛いなどの自覚症状はありません。そのため「血圧が高めなのか。もうそういう年頃になったということね」と放置しがち。でも今と同じ生活を続けていると動脈硬化がどんどん進み、さらに血圧が上がって、心筋梗塞や脳梗塞というコワイ病気のリスクが高まる心配があります。
血圧に限らず、検査値が「高め」と言われた時点で、食事の量や内容を見直す、体を動かすなど、ちょっとだけ生活を変えてみましょう。
