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【ガーデニング】遅咲きが魅力のバラ「ランブラーローズ」と、 6月以降もOKのバラ園5選

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吉原美奈子

【ガーデニング】遅咲きが魅力のバラ「ランブラーローズ」と、 6月以降もOKのバラ園5選

ローズガーデンに咲くコーラルピンクや淡いピンク、白のシュラブローズ。関東以南のバラが終わっても、冷涼地のバラ園では6月以降にこんなバラいっぱいのシーンが楽しめます。

5月末になると関東以西ではバラの季節は終わってしまいますが、系統によってはこれからが本番というバラがあるのをご存じですか? こうした遅咲きの系統と、さらに6月に入ってもバラが鑑賞できるローズガーデンを紹介します。

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ランブラーローズと思われるピンクの小輪つるバラを、1種類だけ連ねたトンネル。アーチやトンネルは複数の種類を合わせたくなるもので、ここまで潔いのも珍しい。

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中~大輪つるバラのたおやかなアーチ。ピンクと白のつるバラコンビは失敗なしの組み合わせといえますが、開花期が合うものを選ぶのがポイントです。

遅咲きのバラってどんなバラ?

多くのバラは5月中~下旬(東京近郊標準)に満開となりますが、それよりも遅く5月下旬から6月初旬に満開を迎えるバラもあり、このタイプのバラが遅咲き品種とされています。

ほとんどのバラが終わり、花がら切りも済んで寂しくなった庭で、見事に咲いてくれるバラの存在はとてもありがたいもので、庭に1株植えておくとバラ好きの心をなぐさめてくれるでしょう。

ただし、バラのカタログには「遅咲き」などの記載がないことのほうが多いのです。遅咲きバラを求める際は、園芸店のスタッフに開花時期を確認してから選ぶのがいいですね。

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「関西以南のおすすめバラ園」で紹介した福岡県、海の中道公園に咲くランブラーローズ。‘スーパー フェアリー’や‘マニントン モーブ ランブラー’がレンガの壁を埋めるように咲き誇っています。

特に記載がなくても多くが遅咲きというバラに、ランブラーローズ(ランブリングローズ、ランブラー系)があります。この系統は枝が柔らかく、伸長力が旺盛で、構造物に誘引しないと地を這うように伸びていきます。

多くは一季咲きですが、花付きがとてもよく、たわわに花を咲かせてアーチや壁面を覆いつくします。春バラの後半を盛大に飾ってくれることでしょう。
バラ園でよく見かけるつるバラのトンネルにもたくさんのランブラーローズが使われています。

超遅咲きの‘ドロシーパーキンス’

ランブラーローズの中で、やや遅咲きと言えるのが‘ポールズ ヒマラヤンムスク’。桜の花びらのような清楚な風情でとても人気があります。
‘ルッセリアーナ’、‘ファイルヒェン ブラウ’もやや遅咲きといえるでしょう。

遅咲き種の代表格ではシルクのように上品なピンクの‘ニュー ドーン’があります。世界バラ会連合の殿堂入りを果たしたつるバラの名花です。

大型のパーゴラもびっしりと埋めつくす白の‘ランブリング レクター’、濃いローズピンクで香りもほのかな小輪の‘キングローズ’なども根強い人気があります。

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白の小輪つるバラと紫のクレマチスが絡むトンネル。伸長力の強いバラはぐんぐん枝葉を茂らせて、涼しい日陰の小道を作ります。

また、最近は「ローズペイサージュ」や「ランドスケープローズ」などと呼ばれるようになった修景バラにも遅咲きの品種が多く見られます。

筆者が知る中で最も遅咲きのバラに ‘ドロシー パーキンス’があります。花径3cmほどの濃いピンクの小花をしなやかな枝いっぱいにつけて愛らしさ満点。
1901年、アメリカ生まれの古いバラですが、今なお多くの庭で植えられています。白花の‘ホワイト ドロシー パーキンス’もあります。

ランブラーローズは地植えが適しますが、10~12号ほどの大型の鉢に植えれば、オベリスクやフェンスに誘引することも可能です。思いのままに這わせて素敵な景色を作ってみてください。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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オベリスクとは、園芸用の支柱の一種で、円柱状や四角柱状の塔のような形をしたものです。おもにバラやクレマチスなどのつる植物を誘引し、美しく仕立てるために使用されます。オベリスクを利用することで、植物を立体的に見せることができ、庭やベランダのアクセントとしても活用されます。

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一季咲きとは、一年のうち特定の季節にのみ花を咲かせる植物のことを指します。特にバラにおいてよく使われる用語で、春から初夏にかけて一度だけ花を咲かせ、その後は葉の生長や株の充実に向かうタイプの品種を指します。これに対して、四季咲きの植物は年間を通じて複数回花を咲かせる特性があります。

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パーゴラとは、庭やテラスに設置される棚のことで、つる性植物を絡ませるために使われます。柱と、屋根の部分には横木などが添えられます。バラやクレマチス、フジなどを立体的に育てることができ、日陰をつくる涼しげな空間としても人気です。庭に奥行きや立体感を出したいときにも効果的です。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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宿根草とは、一度植えると毎年花を咲かせる植物のことです。冬に地上部が枯れても地下部が生き続け、翌年再び芽を出す植物を指すことが多いです。​

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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高木とは、生長したときに一般的に5メートル以上(または2〜3メートル以上)の高さになる樹木を指します。ケヤキ、イチョウ、サクラなどが代表的で、街路樹や公園樹、シンボルツリーとして親しまれています。根が広がりやすく、生長スピードも品種によってさまざまなため、植栽の際には周囲の環境や将来のサイズを十分に考慮することが大切です。高木は四季折々の景観を彩るだけでなく、日陰をつくり、風を和らげるなど、暮らしに心地よさを与えてくれる存在です。

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誘引とは、植物の枝やつるを支柱やフェンスに沿って結びつけ、形を整えたり、日当たりをよくしたりする作業です。生長に合わせて、ひもなどでやさしく固定します。見た目を美しくするだけでなく、花つきや収穫量にも影響します。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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低木とは、一般的に高さが約2メートル以下の小型の木を指します。ガーデニングでは庭の縁取りやアクセントとして使われることが多く、ツツジやユキヤナギ、ローズマリーなどが代表的です。剪定がしやすく、生長も制御しやすいため、初心者にも扱いやすい特徴があります。また、低木は季節ごとの花や葉の変化を楽しむことができ、庭に四季折々の彩りをもたらします。

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