認知症の母が納得!ショートステイをスムーズに進める「やさしい嘘」とは?【認知症母との介護生活#19】
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】高齢者施設のマネージャーと面談することになった
ある時
もともと
母親同士が友人の関係だった
介護友だちから
Mちゃん
私と同じ ワンオペ介護でしょ
だったら いざというときのために
今のうちに
親が ショートステイできる 環境を
整えておいたほうがいいわよ
と言われた
なるほど
考えてみたら
もし 私の身に 何か起こった時
例えば
コロナにかかったり
交通事故に遭った時
そうでなくても
遠くの慶事や 弔事の時
母を 長い時間
ひとりにさせることになる
今までは 息子 ドラ夫に頼んで
夕方 デイホームから帰ってきてから
数時間は
母ひとりになるけれど
夜 泊まりに来てもらっていた
でも
彼は この夏から
東京を離れる
娘 ドラ子は
もともと 不規則な仕事で
全くアテにできないし
となると
そんな時
ショートステイを利用できたら
どんなに安心だろう
ショートステイは
様々な高齢者施設で
やっているけれど
いずれも 受け入れてもらうには
事前に
健康診断書の提出と
施設との面談が
必須
というわけで
先ずは
ケアマネージャーに 事情を話して
母に合いそうな 施設を
選んでもらって
その施設のマネジャーとの面談を
設定
その面談で なにも問題がなければ
初めて
お試しショートステイが できる
その 面談を前に
母に ショートステイの話を
した時のことだった
母は
これを機に 老人ホームに
入れられるんじゃないか
とでも 誤解したか
いきなり 態度硬直
全面拒否
いくら
いざという時のため
と説明しても
そんな時は
ひとりで うちに居るわよ
の一点張り
険悪な雰囲気に なりかけたので
話を 一旦 打ち切って
翌日 ケアマネさんに
SOSの電話を入れた
ケアマネさんは
あ~ そういう方
けっこう いらっしゃるんですよね~
ご本人様が 前向きに
行こう
と思ってくださると
いいですよね~
と言って
いくつか アイディアを出してくれた
その アイディア というのが
さすが その道のプロ
私には どれも
目ウロコだった
そして
そのうちのひとつが
マンガに描いた
モニターに推薦された
というものだった
うそは いけない
そもそも
本人の気持ちを無視して
周りで 寄ってたかって
うそをつく
それって どうよ?
そう考えるひとも
いるだろうけど
今回 私は
本当に ありがたかった
母は
自分では 自覚がないけど
現実には
長い時間を ひとりで過ごすのは
キビシイ
食事も 薬も お風呂も 寝る準備も
その過程のどこかで
誰かのヘルプが 必要だ
加えて
不慮の事故や 突然のトラブルが
あったら…
私は
この うそは
母の介護環境を
万全のものにするための
やさしい うそ
として
許される と思った
面談当日
ケアマネさんと 施設マネさんが
何故 訪問してきたか
知らない母は
初めて会う 施設マネさんが
若くて イケメンだったことが
うれしかったらしく
終始 ごきげんさんだった
そのあと
事前の打ち合わせ通り
Wマネさんが
繰り広げた お芝居は
ふたり共
元俳優志望だったんじゃないか
と思うくらい
素晴らしいものだった
イケメン施設マネさんが 小首を傾げ
ちょっと伏し目がちに
うちの高齢者施設
できたばかりで
利用者が 増えてないんですよね
と 打ち明けるように 話し出すと
あらまあ どうしたの
と心配顔になる 母
モニターを募って
ショートステイしていただいて
改善点とか
指摘してもらうといいんですけど
肝心の モニターしてくれそうな方が
なかなか見つからなくて
と 小さく ため息をつくと
なるほど うんうん
と頷き
母の気持ちは 少しずつ
施設マネに シンクロしていく
彼が 言葉を続けて
そんな時 そのモニターとして
と言いかけて 一度 言葉を区切り
溜めを作った後
Sさんが 適任だ
って
デイホームのスタッフ全員から
推薦していただいたんです!
ここで 再度 溜めが入り
施設マネは
ソーシャルディスタンスを破って
母の方に 身を乗り出し
Sさん このモニターの仕事
引き受けて
いただけないでしょうか!!
その時
隣りにいた ケアマネジャーも
実に いいタイミングで
Sさん以外 いないんですぅ
是非 よろしくお願いしますぅ
と言葉を被せて バックアップ
まるで テンポの良い
劇団のお芝居を
観せてもらっている カンジ
結局 母は
その イケメンマネさんの
キラキラした おねがい目線に
(恐らく)心を鷲掴みされ
母の口から
なんと!
私で お役に立つなら
喜んで
というお言葉 出ました〜
施設マネジャーさん
あなたは
ONE PIECEの ルフィか
ドラゴンボールの 悟空レベルの
魔法使いなのでは?
その後
母は 差し出された確認書類に
自ら進んで サインをし
M子 ここに 印鑑 必要だから
お部屋から 持ってきて
等と
既に モニター やる気満々
上機嫌のうちに
ショートステイ手続きは 完了した
よかった よかった
ただ
母は認知症なので
実際 ショートステイする日が来たら
いやだ 行きたくない
誓約書?
そんなの知らない 記憶にない
と言って ゴネだす可能性
大いに アリ
でも まあ
あの施設マネがいるから
大丈夫
また
威力十分な魔法を かけてくれるだろう
そして 決まった
2泊3日の
モニター…じゃなくて
お試しショートステイ
私にとって それは
ボーナスのような お休みなので
コロナ禍で 色々制約はあるけど
どうやって 過ごそうか
今から
ワクワクが止まりません
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