警察官もタジタジ!?理不尽な交通取り締まりに、認知症の母の怒り炸裂!【認知症母との介護生活#51】
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】警察官VS娘を守りたい母
先日
母を 車に乗せて
月命日のお墓参りに行く 途中だった
住宅道路から 幹線道路に
出た 途端
パトカーに止められた
車に寄ってきた 警察官は
ジェスチャーで 私に
窓をあけるように 促し
言った
今
停止線で 停まりませんでしたね
停まりましたよ
答える 私
見てましたよ
停まったのは
停止線 過ぎてからでしょ
鬼の首を取ったように
自信満々の 警察官
それは
確かに そうだ
そこは 否定しない
でも 私には
そうする理由が あった
だって
そこの停止線は
幹線道路から 少し奥まっていて
その二つの道は
ほぼ直角に 交わっている
しかも 建物が 角ギリギリに建って
右側の視界を 遮っている
停止線手前で 停まっても
運転席からは
幹線道路を来る車は
かなり近づくまで 見えない
幹線道路の手前にある 歩道の
歩行者も 見えない
だから 敢えて
停止線を 少し過ぎたところで
停まった
私は 遠慮がち 且つ 丁寧に
そのようなことを 伝えた
すると 警察官は
厳かに 宣告した
停止線で止まらなければ
それは 違反です
それは そうだろう
そちらが
そう 決めているんだから
でも
こと ここの交差点では
それは 現実には
まったく 意味不明なルール
なのではないか
私の 知る限り
多くの車も そうしていた
ということは
少なくとも
停止線の位置自体を
一考してもいいのではないか
私の中で
納得できない 感情が
どんどん 膨らんでくる
ちょっと!
もしかして あなたたち
捕まえるのが 目的?
こんな謎ルールを 放置したまま
そこで 隠れて 待ち構えて
私のような
超優良ドライバーを 捕まえて
切符を切るなんて!
私は そう言い
…たかった
でも 言えなかった
警察官に
免許証を 見せてください
と言われて 私は
ちょっと!
そんな 姑息な点数稼ぎ する前に
危ない運転をしている ドライバーは
たくさん いるでしょ
ここに来るまでにも
私 何台も見かけたわよ
そっちを先に 捕まえなさいよ!
そう 言い
…たかった
でも 言えなかった
私がしたことは
せいぜい ムッ としながら
免許証を渡すくらい
それでは
もし 今 ここで
警察官に 反論したとして
私は 彼に 翻意させることが
できるか
否
むしろ
印象を 悪くさせるだけだろう
そうしたら
私にとって
もっと納得出来ない状況に なるかも
ってことは
結局
警察という権力には
従うしか ない
ああ この
自己保身的思考
イヤになるくらい クズだ
自分で 自分に 絶望していた
その時だった
背後から 声がした
ちょっと あなた!
どこのケーサツ?
名前 教えて!
振り返ると
母が
警察官に向かって 怒鳴っていた
母は 認知症だ
今したことを
3分後には 忘れてるし
思考や 概念も
混乱気味
最近は
孫の名前さえ 覚束ないことも
でも
その時の母は 違った
迫力ある声で
警察官に 食ってかかり
私が 言いたくても言えず
飲み込んでいた 言葉の
ほとんど全てを
立て板に水が流れるが如く
まくし立てた
警察官は
完全に うろたえていた
眼の前のオバサンに ロックオンし
後は 引き金を引くだけ
勝利を 確信していたところに
あらぬ方向から 弾が飛んできた
びっくりして 振り返れば
そこにいたのは 想定外の
90過ぎの シワシワスナイパー
なんじゃこりゃ?!
そんな気分だっただろう
たぶん
その時 私は
ちょっと おかあさん
そこまで 言う?
と ハラハラしながらも
娘を 助けなきゃ
と思って
警官に食って掛かる 母の気持ちは
正直…
うれしかった
その夜
私は
母を寝かせた後
缶チューハイ 片手に
ネットで 検索しまくった
知りたい情報に
こんな簡単に アクセスできる
現代の利便性に
目一杯 感謝しながら
「交通違反の切符 納得できない」
とか
「交通違反 罰金を払わないと
どうなる?」
な~んて キーワードを入れて
そして
どうやら
軽微な違反の場合
もし それに
納得できなければ
罰則金を支払わず
何度か 納付書が来ても
無視し
出頭命令が来て 出頭したとしても
最終的には
不起訴になって終わる可能性が
非常に 高い
という情報に 辿り着いた
いいじゃん いいじゃん
やってやろうじゃん
夜中
怒りに任せて
アルコールも 入って
どんどん 過激になっていく
私
そして
とある文章が 目に入った時
酔いが 一気に冷めた
警察官の言うことに
納得出来ない場合
差し出された 切符には
絶対に
サインしないようにしましょう
サインをしたら
違反を認めたことになります
あ…
ふと パソコンの脇に 置かれた
今日 警察官から渡された 紙を
見た
しっかり 私のサインがされていた
あ~~~~~ ダメじゃーん!
今まで バンバンに
放出されまくっていた
アドレナリンが
急激に 減少していくのが
わかった
まるで
塩をかけられた ナメクジのよう
…そりゃね
頭では
わかってる
交通法規は 守る
それが 絶対正義だ
社会人として
守らなくてはならない ルールだ
破ったら
当然 罰金を払う
当然だ
そうなんだけど…
ねちっこい 私は
考えた
なんか イヤだから
罰金は
ギリギリ 支払期限の日まで
払わないでいよう
金額 7000円
期限の日までは わずか一週間
その日まで 支払わない
そのことに
何の意味が あるのか
よくわからないけど
むしろ
忘れっぽい 私の場合
うっかり 支払い期限を過ぎた時の
リスクのほうが
遥かに 高いけど
そして 私は
スマホの予定表に
罰金の支払期限の日を
赤字で 入力した
クソ罰金支払日
その 罰金支払日の前に
クソをつけることに
何の意味が…
さすが
塩をかけられた ナメクジもどき
考えることが クズすぎる
▼次回はこちら▼
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