認知症母に睡眠トラブルは無縁?!笑いで乗り越える母娘のやりとり【認知症母との介護生活#53】
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】認知症母に睡眠トラブルは無縁?
このマンガは
実話です
夕飯を 食べ終わると
最近の 私
寄る年波のせいか
食後
すぐ 眠くなる
その日も
夕食を 食べ終わり
食器は下げたものの
すぐ洗う 元気もなく
テーブルに戻って 座り込んだ
その時 すでに
手はホカホカ 目は半眼
私より ずっと高齢の
92歳 認知症母は どうなのか
と見てみると
椅子の背に もたれて
口は半開き 微動だにしない
果たして あの目は
瞑っているのか
瞼が垂れてるだけなのか
どのくらい
時間が 経ったんだろう
遠くから
人の声が 聴こえてきた
ああ そうだ
テレビが ついてたんだっけ
そして 切れ切れに
…睡眠…ストレス…眠れない…
などという言葉が 聴こえてきて
私は
いきなり 覚醒した
だって
実は ここ数年
ベッドに入ってから
1時間くらい 眠れないのは
デフォルト
日によっては
入眠まで 2~3時間かかることも
それが
大いなる 悩みだったから
その番組の内容は
私にとって 実に 興味深いもので
テレビにかぶりつくように
観ていたら
母が
突然 話しかけてきた
あなた
夜中に 目が覚めるの?
そして ちょっと自慢げに
言った
私は 覚めないわよ
一度寝たら 朝まで ぐっすり
実は 母とは
以前
これと似たような会話を
したことがある
その時 私は
え~ ウソばっかり
夜中に 何度もトイレに
行ってるわよ
と全否定し
母を 思いっきり
不機嫌にさせてしまった
でも それは
認知症母にとって
ウソではなく
トイレに行った記憶が
きれいサッパリ
抜け落ちているのだった
当時は そんな風に
考えることが できなくて
かわいそうな言い方を
してしまった
その時のことで 学習した私は
今回
母の言葉を
敢えて 否定はせずに
質問にだけ 答えた
ううん 私は
夜中に 目が覚めることは
ないんだけど
でも
寝るまでに 時間がかかるのよ
ところが
母から 返ってきた言葉は
前回と同じだった
あら~ どうして?
私は すぐ眠れるわよ
そして 今回は
それに 新たに続く言葉が あった
お布団に入った 途端
ピンピンコロリよ
ピンピンコロリ?
…それって
二度と 目覚めないヤツじゃん
私は 吹き出しそうになった
おかあさん
それじゃ 死んじゃうよ?
と言ったら
最初は キョトンとしていたけど
3回位 説明したら
ようやく 気づいたらしい
おかしそうに笑って 言った
そうだったわねえ
いやだわ
これじゃ まるで ボケばあさんね
またまた吹き出しそうになった 私
いやいや
正真正銘 ボケばあさんだけど
そんな私を見て
母が 聞いてきた
すぐ眠れることって
本当は 何て言うんだっけ?
その 突然の質問に
え…と
え…と
え…と
確かに
そういうことを
的確に表す言葉が あったはず
でも 思い出せない
なんだったっけ?
ヤバイ
出てこない
マジで焦る 私
ところが 目の前の本人は
今 自分がした質問なんて
すっかり 忘れ去り
♪ピンピンコロリよ~ おコロリよ~♪
な~んて歌を
創作して 歌っている
私は その後も
キッチンの片付けを しながら
なんだっけ?
入浴 しながらも
なんだっけ?
とにかく ずっと 考え続け
一日が終り
ベッドに 横になった時
その言葉は
突然
天から 降りてきたのだった
バタン キュー
よかった
私も とうとう認知症になったかも
って
マジ 焦っちゃったよ
そして
そうだ
この くだらなくもおもしろい
老老ボケボケ話を
ブログに描こう
と 思いついたら コーフンしてきて
その日も
なかなか 眠れなかったのだった
▼次回はこちら▼
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