認知症ケアはタイパの対極!同じことの繰り返しをどう乗り越える?【認知症母との介護生活#64】
60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。
▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼
>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】長年の認知症介護で学んだことを駆使しても…
認知症母の 記憶力は
最近
加速度付きで 降下中
今 口にした言葉を
ニワトリ以下の 1歩で忘れ
同じセリフを リピ リピ リピ…
ある時 ネットで
タイパ
という言葉が 目に入った
ふと 考えてみると
今
母と私の間に 流れる
時間の ほとんどは
タイパ とは対極の概念で
埋め尽くされている
つまり
毎日 ほぼ同一の話が
母から 繰り返し 繰り返し
垂れ流され
私の時間は
それを ただただ聞き流して
過ぎる
そこに
発見も 生産性も 可能性も 希望も
一切 ない
なんだか 私
世間と違う 時間軸で
生きている感じ
いいのか 自分の人生
こんなんで
とはいえ
この現実に
イラついたり 逃避したところで
何の解決にもならないので
最近
母の質問リピに関しては
繰り返しを避けるために
メモ帳に その答えを書いて
母に 手渡すようにしている
これ もしかして
私なりの タイパ術
と言えるのかな
そして 先日
私は
単なるメモから
数段 バージョンアップさせた
母の
限られた興味の範囲の 疑問は
ほぼ 網羅してある
母専用Q&Aメモ 全2枚を
遂に 完成させた
これで 母の質問の9割程度は
減らせるはず
そのひとつを
母の目の前で
ダイニングテーブルに かけてある
透明ビニールクロスの 下に
挟んだ
見た目は カッコ悪いけど
壁に貼るより 無くされ難いし
母の目にも 留まりやすいはず
…だ っ た ん だ け ど
時に 認知症母の想像力は
常人の発想を 軽く飛び超えることが
ある
その日
母は
私がメモを挟んだ 直後
目を離した隙間を 縫って
それを 取り出し
どこかに
移動させてしまった
なぜ 移動させた?!
と母を追求したところで
おそらく
それに 理由はない
だって
母は 認知症
認知症 という病気のひとは
常識や 当たり前 という
社会の既成概念が
徐々に消えていくので
認知症のひとの 行動や発想は
常識では測れないことがあるのだ
先日
母が デイホームから持ち帰った
塗り絵も
まさに そんな
認知症患者作成作品だった
花嫁さんの日本髪が
パーツごとに 色が違って
アーティストをも凌駕しそうな
その発想の 自由さを
私は
大いに楽しんだ
こんな風に
認知症的発想を
いつも いつも 楽しめるわけでは
ないんだけど
それでも
気持ちの余裕を 持つために
母の発想の 上の 上を行く
リスク管理や
壊れたレコード化現象を
うまく やり過ごす方法を
見つけること
それが
目下の 私の課題です…
▼次回はこちら▼
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