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【認知症母との介護生活#62】92歳母の乳がん治療。抗がん剤の服薬管理が大変すぎた!

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更新日

ぱいなっぷりん

60代主婦の日常を、4コママンガとエッセイにしてブログで配信をしている、ぱいなっぷりんさん。その中から、「認知症母との介護生活」を順に紹介していきます。

▼「認知症母との介護生活」マンガ 1話から読む▼

>>想像の遥か上を行く発想をする母に、考えたことは?【認知症母との介護生活#1】

認知症母の進化形ツッコミ

手術後
散々 痛みを訴えていた
母も

2週間程 経つと
さすがに
痛がる頻度が 減ってきて

訴えを聞き続けて
ストレスマックスになっていた
私の気分も

大分 和らいだ

それでも
ちょっと 退屈な時間になると
気になるのか
母は

なんか 胸のところが
ちくちく 痛いのよね~

などと 言ってくるけど

そして 先日

そう 言った後に

何故 こんなところが
痛むのかしら?

と  実に不思議そうな顔で
言葉を続けた

なんと!

母は 手術したことを
すっかり忘れているのだった

脱力

私が

お母さん がんだったんだよ

だから 入院して 手術したんだよ
その 術後の痛みだよ

少しづつ よくなってるから
心配はいらないけどね

と言うと

えっ 入院?
手術?
私 がんだったの?

母は 立て続けに 驚きの言葉を発し
最後に 付け加えた

イヤだわ~
なんにも 覚えていない

これじゃ まるで ボケ老人ね

……………

その言葉を聞いて
私の目は
仏さまのような 半眼になり

貴方さまは
正真正銘 まさに ズバリの
純正ボケ老人なのですよ

と 心の中で 呟いた

そして
術後1ヶ月の 診察の日

先生は 言われた

生検の結果が 出ました

リンパにも 他の組織にも
ガンはありませんでした

今後は
標準治療としては
予防の為
抗がん剤を 半年くらい続けるのが
基本です

ただ
おかあさまのご年齢を 考えると
どうするのが いいか…

先生は
母に 視線を移してから
おっしゃった

でも おかあさま
お元気そうなので

抗がん剤 やりましょう!

抗がん剤…

私が固まっていると
先生は

この抗がん剤は
副作用は
そんなに強くない と思いますよ

それに
以前 お母さまは
100歳まで生きる気満々 って
おっしゃってましたよね

えっ

先生の 唐突な言葉に
びっくりした

記憶にないけど
言ったのかな 私

まあ 確かに 母の口癖だから
言ったんだろう

そして 先生は
確信に満ちた声で 言葉を続けた

だったら
抗がん剤をしたほうが
今後 安心ですから

ということで

2週間やって 1週間休む

という飲み方で
抗がん剤を
何クールか 続けることになった

母の服用薬は
今まで
朝 昼 晩 毎に分かれている
一週間用のピルケースに
私が入れていて

母に そこから取ってもらって
飲むようにしていた

でも 母は認知症

しかも
術後 少し
認知症が進んだように 見える

抗がん剤は 確実に
定時に 定量
飲まなくてはいけないので

私は 毎朝 晩
母に薬を 手渡すことにした

ところが

ある日

テーブルの上に
なんと!
抗がん剤が1錠
むき出しのまま 転がっていた

それを見た時
私は パニックになって
母を問い詰めた

これは いつの薬?

今日は 飲んだの?
飲まなかったの?
どっち?

でも 母は

知らないわよ そんなの
あなたが 置いたんじゃないの?

そうじゃないなら
薬に 足でも生えてるのよ


すっとぼけたことを 言うのみ

その日から 私は

私が 手渡して
母が 口に入れるまでを
すべて 見届けることにした

実際

認知症母が 無事に
薬を飲むまでに

普通の人には 想像し難い
いろいろな関門が ある

先ず
服用する薬の数が 多いので

その一つ一つを
袋からきちんと出したり
シートから押し出すのが
先ずは たいへん

手が震えるので
途中で
落としたり 飛ばしたりすることも

それを 探して

もちろん 見つからないことも
あって

飲もうとして
口からこぼれることも ある

そんな時
どの薬が こぼれたのが
口の中を調べても
わかる とは限らない

似たような形状の薬が
結構あるし

無事 口に入れたとしても
その後
いきなり むせて
口から飛ばしちゃうことだって

そして

母が 薬を きちんと飲んだか
見届ける

な~んて 上から発言している
私自身が

実は

このブログを 長く
読んでくださっている方は
ご存知だと思うけど

自己管理が きちんとできる
タイプでは ない

私にとって
母の 抗がん剤の管理を するのは
ホント
ハードルが 高すぎて

毎日
胃に 穴が開きそうなくらい
緊張している

夢の中にまで
母の薬が 出てくる

ただ 幸いなことに

今のところ 母に
抗がん剤の副作用がみられない

先日
医療関係の仕事に就いている
娘 ドラ子と
話す機会があった時
母の話になった

この先 何ヶ月も
抗がん剤を
飲み続ける予定なんだけど

ラッキーなことに
おばあちゃん
副作用が出てないのよね~

と喜んだら

ドラ子は
鼻を フン と鳴らして
言った

安心するのは まだ早いね

抗がん剤の 副作用ってね
続けているうちに 強くなること
多いんだよ

そのドラ子の予言(?)を背負って

現在
母の抗がん剤は 2クール目

今のところ 母は
食欲も 体力も 気分も
良好

ドラ子と話した時

彼女は
自分の言葉で 絶望のどん底に落ちた
私を
慰めるつもりか

言葉を付け加えた

ま たま~に
副作用の全くない人も いるけどね

その言葉の

たま~に いる人

が 母であることを 願いつつ

母のがん治療は 続く

▼次回はこちら▼

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