築35年の団地に住む理由。「絶対”ない”と思った」家だったけど…身の丈にあった暮らしと幸せの見つけ方
結婚してから住んだ築浅の部屋から、築35年の団地に引っ越した須藤理可さん。以前は人と比べたり、世間体を気にしながら物件選びをしていましたが、今の家に出合って、自分たちだけのものさしを見つけることができました。
お話を伺ったのは
須藤理可さん アクセサリーデザイナー、ファッションインスタグラマー
すどう・りか●1969年生まれ。
SNSやブログで日々のコーデを発信する他、アパレルメーカーとコラボして服作りを行っている。
著書に『毎日たのしい大人のカジュアルコーデ見本帖』(エムディエヌコーポレーション)。Instagram @canaria_rs
チラシを見たときは「絶対にない」と思った
開け放した北側の窓から入った風が南側の窓にスーッと抜けていく。須藤理可さんが都内にある団地の一室に住み始めて2年。風通しのよさは家を選ぶ際に大きな決め手になったという。
「日当たりもいいのですが、室内に熱がこもらないから夏は涼しくて快適。太陽の光が部屋の奥まで届いて冬は日中は暖房いらずだし、明るいです。静かなので、鳥の声や風で葉が揺れて鳴る音、雨が葉に当たる音が聞こえてくるところもいい。故郷の和歌山を思い出します」
「これまで住んだ家で一番古いけれど一番好き」と表情をゆるめる。2016年に結婚し、住んだマンションは32㎡とコンパクトながら築浅で、周辺環境も充実。だが夫の仕事が忙しく、職場の近くに住もうと探して2~3年後に見つけたのが今の家だった。チラシを見たときは和室と随所ににじむ“昭和感”に「絶対にないと思った」と話す。住むと決めるまで内見できないという規定があったため、ひとまずひとりで外観を見に行き、古びた様子にその思いを強くする
