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築35年の団地に住む理由。「絶対”ない”と思った」家だったけど…身の丈にあった暮らしと幸せの見つけ方

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ゆうゆう編集部

自分たちが感じる幸せは自分たちだけがわかればいい

朝、カーテンを開けると、緑生い茂る欅や銀杏の木が、春は美しい花を咲かせる桜が見える。

「以前は50代ならお金をかけた“いい家”に住むものという思い込みがあったし、結婚当初は貧乏だったわが家もそれなりにお金を使えるようになって、家賃が高いおしゃれな家に住もうと考えていました。物件を巡りながら、広いキッチンで料理をして、ここに素敵なソファを置いて……なんて夢が広がって。でも内見の日に夫と『私たちは見栄を張っているのかな』と話しました。『身の丈に合った生活があるんじゃないか』『一度、このくらいの家に住んだほうが楽になれるかも』って。それで、いわゆる“いい家”を望んでいたわけではないと気づいたんです。都内なのに自然豊かで、駅からは遠いけれど運動を兼ねて歩くのも楽しい。オートロックがなくてもご近所づき合いがあるから安心です。大切なのは心地よく、健やかに暮らせること。自分たちなりの豊かさや幸せがあって、それはふたりだけがわかっていればいいと思うようになりました。前と比べて家賃は約3分の2になりましたが贅沢はせず、差額はできる限り貯蓄に回しています。夫の異動で数年後には再び引っ越しですが、次も古い団地に住みたいです」

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ふたり分の服は、寝室の押し入れに業務用ラックを2台並べて収納。扉は取り払い、突っ張り棒を設置してカーテンを吊り下げた。「収納力があるので、以前の家にあったチェスト2台は手放しました」

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リビングの押し入れには薬やスキンケア用品、日用品のストックなど、出しておきたくないものをまとめて。「奥行きがあるので上段奥はカラーボックスを3台並べて、手前は作業台として使用中」

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「家の顔だから明るい印象にしたい」とグレーだった玄関のたたきに自分で白いタイル風のビニールシートを貼り、プチリフォーム。洗面所も同様に。

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日当たりがいいので植物がよく育つ、南向きのベランダ。室内にグリーンが足りないときに飾るためのミントの他、虫よけになるアロマティカス、ゴーヤや百日草を育てている。

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撮影/土屋哲朗 構成・文/増田綾子

※この記事は「ゆうゆう」2025年9月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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