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【渡辺えりさん・70歳】夫婦役で共演する柄本明さんの魅力は“色っぽさ”

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恩田貴子

テレビで、映画で、そして舞台で。いつでもエネルギッシュな姿で私たちを魅了してやまない、渡辺えりさん。今年1月に70歳・古稀を迎えた今も、その勢いは衰え知らず。自身の古稀記念公演を含め、今年だけですでに4作品もの舞台に立ったというから驚きだ。そしてこの秋、渡辺さんは舞台『また本日も休診~山医者のうた~』で、柄本明さんと夫婦役を演じる。

プロフィール
渡辺えりさん

わたなべ・えり●1955年山形県生まれ。
78年、劇団「3○○(さんじゅうまる)」を旗揚げし、作・演出・出演の三役をこなす。劇団解散後は、「オフィス3○○」主宰として、さまざまな役者やクリエイターとともにプロデュース公演を行っている。
今年12月には、古稀記念コンサート「70祭 ERI WATANABE CONCERT~ここまでやるの、なんでだろう?~」(12月20、21日/東京芸術劇場プレイハウス)を開催予定。
「オフィス3○○」公式サイト https://office300.co.jp/

50年来の盟友・柄本明さんの魅力は“色っぽさ”

福岡・博多座を皮切りに、10~11月に上演される舞台『また本日も休診~山医者のうた~』。渡辺さんが演じるのは、那須高原で診療所を営む医師・見川鯛山(みかわたいざん)の妻・テル子。夫の鯛山先生役を務めるのが、俳優の柄本明さんだ。

「柄本さんとは、本当に長いおつき合いで。もう50年近くになるんじゃないかしら。柄本さんの最初の頃の印象は、神経質で厳しい感じの人。柄本さんが主宰する劇団『東京乾電池』で演出されている姿も見ていましたけど、とっても厳しくてね。怒っているところしか見たことがないくらい(笑)。でも年を重ねるにつれて、どんどん大らかになられた気がします」

そんな柄本さんの俳優としての魅力をたずねると、こんな言葉が返ってきた。

「柄本さんって、どんなときも存在そのものが自然で、ウソがないんです。それが長く活躍されている理由の一つなんでしょうね。それとね、色っぽいんですよ、柄本さんは(笑)。そこがまた、たまらない魅力なんです」

うらやましさを覚えるほどの“理想の夫婦”

舞台『また本日も休診~山医者のうた~』は、実在した医師・見川鯛山のエッセイ「田舎医者シリーズ」をもとにした作品。物語の中で、柄本さん演じる鯛山と渡辺さん演じるテル子は深く愛し合い、慈しみ合う理想の夫婦として描かれている。鯛山とテル子––––この二人、実際の姿もそうであったという。

「鯛山先生はとても無口な方だったそうですが、奥さまのテル子さんのことをすごく愛していて、テル子さんが亡くなるまで『かわいいな』『好きだな』と言い続けていらしたそうなんです。今の時代、熟年で離婚することも珍しくないでしょう? 最後までそうやって想い合える夫婦ってなかなかいないと思うから、お二人のことが本当にうらやましくて。だから今回は、柄本さんにちゃんとかわいがってもらえるようなお芝居をしなくちゃ(笑)」

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