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70歳で恋活を宣言!?【渡辺えりさんのターニングポイント#2】両親を失った悲しみを乗り越える新たな挑戦とは?

舞台の上では、どんな役柄もパワフルに演じきる渡辺えりさん。しかし一人の女性として、今、人生の大きな節目を静かに迎えている。相次いで見送った最愛の両親。誰もがいつかは経験する「ひとり」という現実と、渡辺さんはどう向き合っているのだろうか。

▼「渡辺えりさんのターニングポイント#1」はこちら▼

>>原動力は「怒り」。平和を願い、演劇の未来を見つめる、その思いとは?【渡辺えりさんのターニングポイント#1】

プロフィール
渡辺えりさん

わたなべ・えり●1955年山形県生まれ。
78年、劇団「3○○(さんじゅうまる)」を旗揚げし、作・演出・出演の三役をこなす。劇団解散後は、「オフィス3○○」主宰として、さまざまな役者やクリエイターとともにプロデュース公演を行っている。
今年12月には、古稀記念コンサート「70祭 ERI WATANABE CONCERT~ここまでやるの、なんでだろう?~」(12月20、21日/東京芸術劇場プレイハウス)を開催予定。
「オフィス3○○」公式サイト https://office300.co.jp/

両親の死がもたらした心の変化

今年1月、古稀という人生の節目を迎えた渡辺えりさんにたずねてみた。「これまでの人生で、ターニングポイントとなった出来事はなんですか?」と。

「やっぱり両親が亡くなったことかな。父が亡くなり、その2年後に母が逝って。寂しいですよ、本当に。大きな井戸の底に落ちたような、宇宙に一人、ほっぽり出されたような……。なんというか、大きな暗闇の中にいるような感覚が、父母を亡くして以来、ずっと続いています」

渡辺さんは、2022年に父を、24年に母を亡くしている。

「父と母がいてくれた頃は、“いつも誰かが私を想ってくれている”という安心感がありました。でも今は、誰もいない。覚悟はしていたとはいえ、自分を手放しで愛してくれる人を失った喪失感と孤独感は、はかりしれないものがありますね」

その喪失感が、彼女の心に新たな思いを芽生えさせた。

「両親がいなくなってから、結婚したくなっちゃったんですよ。誰かに私のことを見ていてほしい、想っていてほしい、みたいなわがままな気持ちが出てきたんです。離婚してからは、結婚のことなんて考えたこともなかったのにね。観た芝居の感想を言い合ったり、何気ない話ができたりする相手というのは、かけがえのないもの。だから、今回の舞台『また本日も休診~山医者のうた~』で演じるテル子さんと鯛山先生みたいに、いつまでも仲睦まじくいられる関係が本当にうらやましくて。誰かいい人、いないかしら⁉」

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