ワンピースで世界を旅した【兼高かおる】とは?その人生を振り返る感動のストーリー
ゆうゆう読者へ「海外旅行への憧れを抱いたきっかけは?」と聞くと、まっ先に「兼高かおる世界の旅」という答えが返ってきます。そんな旅のエキスパートの軌跡を写真で振り返り、今一度彼女の魅力を探ります。【後編】
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>>海外旅行の魅力を変えたレジェンド【兼高かおる】旅先でのワンピースファッションも!
兼高かおる
旅行家・ジャーナリスト
かねたか・かおる⚫本名:兼高ローズ。
1928年2月29日~2019年1月5日(享年90)。
TBS系「兼高かおる世界の旅」(1959~90年)では世界150カ国以上を訪問し、地球180周分の距離を旅したことになる。
紫綬褒章他、受章歴多数。
ワンピースで世界中を旅する、その笑顔にワクワクさせられました
人生の3分の1を捧げた「世界の旅」
番組が始まった当時の為替レートは1ドル=360円。兼高さんの著書『わたくしが旅から学んだこと』によると、当時はお金の持ち出し制限があり、1日17ドル(約6000円)。最初の取材旅行は約100日間で、60万円もの大金を持って出かけたそう。大卒の初任給が1万円そこそこの時代に、です。
取材スタッフは兼高さんとカメラマン、アシスタントの2人だけ。しかも、番組のプロデューサー、ディレクター、ナレーターとすべての役を兼高さんがひとりで担当。台本はなく、現地での飛び込み取材も、帰国後のフィルムの編集作業も、ナレーションの原稿書きも兼高さんが行っていたというからすごい! あのにこやかな笑顔の裏には、計り知れない苦労があったことでしょう。
1928年生まれの兼高さんは、戦時下に少女時代を過ごし、敗戦により価値観がガラッと変わる経験もしています。
東京の女学校を卒業したのち、アメリカに留学したものの、体を壊し志半ばで帰国することに。ジャーナリストとして仕事を始めた1年後、テレビ局から海外取材番組の話が。兼高さん31歳、「1年の半分は海外、生活の99%の時間を費やした」という「世界の旅」の始まりでした。
兼高さんは、「『世界の旅』で生き方や仕事について学び、取材する目や世界を視る目を養いました。まさに人生の学校でした」と著書に記しています。
2019年、90歳で天国へと旅立ちましたが、実に人生の3分の1を「世界の旅」に捧げた生涯でした。
兼高さんの旅の軌跡を振り返ると、懐かしさだけでなく、「旅に出たい!」という思いがわき上がってきます。これこそが、兼高さんが私たちに残してくれた最大の贈り物かもしれません。
ゆうゆうフレンドも「兼高かおる世界の旅」で海外旅行を夢見ていました♪
ローズ麻生育子さん(65歳)
アフリカの原住民のお宅で、現地のもてなしを楽しんでいた姿を今も覚えています。私がインスタグラムで「テーブルの上の世界旅行」をテーマに、世界各国の料理にチャレンジしているのも兼高さんの影響が少なからずあるかも!?
