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熱々のお茶で死ぬ!?日本人の死因第6位「誤嚥性肺炎」を防ぐ!法医学者のアドバイス

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高木徹也

何気ない日常の中に、思いがけない“死の落とし穴”が潜んでいるかもしれません。大切な人が、そして自分が、そんな危険に巻き込まれないために——。話題の新刊『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(高木徹也著・三笠書房)から、そのヒントを抜粋してお届けします。第2回は、「熱いお茶を飲んで死ぬ!?」

▼前回はこちら▼

>>「こんなことで人は死ぬ」のどに詰まらせて亡くなる人の7割が80歳以上—“お餅並みに危険”な食べ物とは?

熱いお茶を飲んで死ぬ!?

おばあちゃんが熱々の緑茶を持ってきて、ふーふーしながら口をつけたら「猫舌だね」なんて笑われて……。日本によくある、ほのぼのとした光景の一つですね。 

ただし、おばあちゃんの愛情たっぷりとはいえ、急須から注がれた直後の熱々のお茶を飲むのは、死ぬ危険性を高めてしまいますので注意が必要です。 

その理由の一つとして、熱い飲食物は「食道がん」になる危険性を高めるという研究結果が数多く報告されています。日常的に熱い飲食物を摂取していると、食道が刺激を受け、食道粘膜の細胞が変異して、がん化する可能性があるのです。 

特に高齢者は、熱さを感じる神経が鈍くなっているので、熱すぎるものをあまり抵抗なく飲みこむことができてしまいます。 

以前、私が麻酔科医として病院に勤務していたとき、食道がんの手術を受けるご高齢の男性を担当しました。幸い手術は無事に終わり退院されたのですが、その半年後、今度はその男性の妻が、同じく食道がんとの診断を受け、手術することになったのです。 

ご夫婦ですから、遺伝的要因によるものとは考えられません。詳しく話を聞いてみると、夫婦で熱いお茶を飲むのを日課にされていることがわかりました。もちろん、一概にそれだけが原因とは言えないものの、家庭内の習慣という環境的要因による発がんとも考えられ、医師としてとても驚いたことを覚えています。

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