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50代からの韓国旅。懐かしい市場と“東洋のナポリ”統営へ—映画『最後のピクニック』の舞台・南海も散歩

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鈴木ちひろ

50代からの韓国旅。懐かしい市場と“東洋のナポリ”統営へ—映画『最後のピクニック』の舞台・南海も散歩

日本のしまなみ海道のように、小さな島が点々と浮かぶ風景が続く南海。ソウルではほとんど見ない、ツーリングで訪れるバイカーもここでは目にしました。

韓国のハルモニ(おばあちゃん)2人が主役の映画『最後のピクニック』。深くて濃い60年来の友情と、老いてなお心に残る想いを丁寧に描いた名作です。舞台となったのは、朝鮮半島の南に位置する南海という小さな町。 今回、秋夕(旧盆)の連休で訪れることになったので、私の義父母が住む隣町・統営と併せてご紹介します。

昔懐かしい風景が残る、のどかな町・南海

釜山から車で150キロほど離れた、慶尚南道の最南東に位置する南海。陸に続いていない島からなる町で、人口はわずか4万人弱。映画では美しい島並や海の景色がたびたび映し出されました。特産物はミョルチ(カタクチイワシ)で、海にはイワシ漁の形跡があちらこちらに。

50代からの韓国旅。懐かしい市場と“東洋のナポリ”統営へ—映画『最後のピクニック』の舞台・南海も散歩(画像2)

カタクチイワシを干す作業をしている人も。1匹食べてみましたが、ほんのりしょっぱくておいしかったです。

南海にはドイツ村という観光地が2001年につくられましたが、現在は繁忙期以外は閑散としているよう。これといった観光地がなく、若者も少ないのでとても静かです。

けれど、食堂のなかは昼からお酒の入ったアジョッシ(おじさん)の宴会で大賑わい。ソウルだったらクレームが入るであろうほどの大きな声で笑ったり、怒ったり。これぞ韓国のアジョッシです。南海をはじめ、韓国の南部地方はまだまだ威勢のいい人が多く、人情味もたっぷり。忘れていた“韓国らしい”風景を見られて私はほっこりしましたが、一緒にいた旦那さんはじめ、義理の両親は遺憾だったよう。「店選びに失敗した」と愚痴をこぼしていました。

50代からの韓国旅。懐かしい市場と“東洋のナポリ”統営へ—映画『最後のピクニック』の舞台・南海も散歩(画像3)

南海名物のミョルチサムパッ。イワシと玉ねぎを唐辛子で煮込んだもので、サンチュで巻いて食べます。見た目ほど辛くはなく、焼酎との相性が◎。

集落があっても10棟ほどが集まっているだけで、人の行き来はまばら。カメラ片手に散歩をしていたら、日本の平屋のような建物が目に入り、思わず写真を撮りました。

50代からの韓国旅。懐かしい市場と“東洋のナポリ”統営へ—映画『最後のピクニック』の舞台・南海も散歩(画像4)

「福」と書かれた瓦屋根がかわいいお宅。

この後、実は追突事故に遭い、2時間ほどロスすることに。はじめての自動車事故で戸惑いましたが、旦那さんはいたって普通でした。ハザードをつけて一時停止していたところ後ろから突っ込まれたのですが、韓国では保険会社がすべてサポートしてくれるので問題ないとのこと。ソウルに帰ってから痛くもないのに病院に行き、マッサージや針を受けて、韓薬ももらいました。

その後、目的地の南海宝島展望台に行きましたが、落ち込んだ気持ちと同様に空模様が怪しくなり、思っていたほどの絶景は拝めませんでした。

50代からの韓国旅。懐かしい市場と“東洋のナポリ”統営へ—映画『最後のピクニック』の舞台・南海も散歩(画像5)

アイスクリームのオブジェが何なのかは不明……。こういった演出は“韓国あるある”です。

50代からの韓国旅。懐かしい市場と“東洋のナポリ”統営へ—映画『最後のピクニック』の舞台・南海も散歩(画像6)

命綱をつけて2階のスカイウォークを歩く体験も可能。高所恐怖症にとっては地獄です。

南海の市場にも寄りたかったのですが、事故の影響でタイムアウト。市場は義理の実家がある統営で行くことにします。

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