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花が美しいだけじゃない!ローズヒップも楽しめるバラの種類と育て方のコツ【ガーデニング】

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吉原美奈子

花が美しいだけじゃない!ローズヒップも楽しめるバラの種類と育て方のコツ【ガーデニング】

ローズヒップと小枝のリースを秋の森のモス(苔)の上にそっと置いた海外の写真です。作り手の温かく素朴な思いが伝わってきます。

11月も中旬をすぎると秋バラもそろそろ終わりを迎えます。花が終わるのは寂しいものですが、バラは実も楽しめることをご存じですか? バラの実の利用法、そして実を楽しむのに適した種類をご紹介します。

花が美しいだけじゃない!ローズヒップも楽しめるバラの種類と育て方のコツ【ガーデニング】(画像2)

アメリカのフラワーマーケットで売られているローズヒップの小束。日本でもこれくらいポピュラーになったらうれしい。

「ローズヒップ」とは?

バラを育てている人にとって、花後の花がら切りは基本中の基本となっているはず。
バラは花が終わって花弁が散ると、花弁の下のふくらんだ部分が次第に大きくなり実を作ります。

しかし実をつけることはとてもエネルギーを使うことで、結実するとバラの体力は消耗します。
なので、バラの体力を保ち次の花にエネルギーを集中させるため、普通は花がらを切って実がつかないようにするわけです。

花が美しいだけじゃない!ローズヒップも楽しめるバラの種類と育て方のコツ【ガーデニング】(画像3)

ヨーロッパでおなじみのローズヒップといえばドッグローズ(ロサ・カニナ)の実。たわわに実をつけてティーにも使えます。

ということでバラを育てている方にはあまりなじみのないバラの実ですが、花がら切りをやらないでおくと、実は次第にふくらんで赤やオレンジに色づきます。
この実はローズヒップとも呼ばれ、球形や卵型をしていてとても可愛いものです。

花が美しいだけじゃない!ローズヒップも楽しめるバラの種類と育て方のコツ【ガーデニング】(画像4)

卵型の実と並んでよく見かけるつぼ型のローズヒップが秋の庭の情景を作ります。ちなみにヒップとはお尻ではなく果実の意味。

ローズヒップを見たいなら一季咲きを

花だけでなくローズヒップも楽しみたいという方は、花がら切りの必要がない一季咲きのバラを育てるとよいでしょう。
特に野生のバラやオールドローズには花も実も魅力的なものがあります。

オールドローズは大きく茂るものが多いため、庭にある程度のスペースが必要ですが、伸びてくるをフェンスなどに這わせる方法もあります。
なお実を利用したい場合、薬剤散布は行わないのが原則です。

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日本の野生バラの代表ノイバラ(ロサ・ムルティフローラ)。花径2~3㎝、株が茂りすぎたら不要な枝は切ってもよいでしょう。

ローズヒップを採るのに使われるバラは、ヨーロッパではドッグローズと呼ばれるロサ・カニナの仲間、日本ではノイバラやハマナスがあります。
ノイバラやハマナスは比較的簡単に入手でき、一般家庭でもてあますほど大きく育つことはないでしょう。

ノイバラは香りがよく、5弁の清楚な白い花を咲かせます。
実は赤く小さく、びっしりとつくのでなかなか見ごたえがあります。

ハマナスとも呼ばれるロサ・ルゴサは花が大きく美しく、強く香ります。
実はツヤツヤとして、つぶれたような楕円の形も印象的。
原産地の北海道ではジャムやティーにもさかんに利用されています。

花が美しいだけじゃない!ローズヒップも楽しめるバラの種類と育て方のコツ【ガーデニング】(画像6)

ピンクで一重のロサ・コンプリカータがにぎやかに咲いています。このバラもローズヒップが大きく形がよいとされます。

オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

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一季咲きとは、一年のうち特定の季節にのみ花を咲かせる植物のことを指します。特にバラにおいてよく使われる用語で、春から初夏にかけて一度だけ花を咲かせ、その後は葉の生長や株の充実に向かうタイプの品種を指します。これに対して、四季咲きの植物は年間を通じて複数回花を咲かせる特性があります。

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ロゼットとは、地面に葉が放射状に広がるように生える植物の葉の形を指します。タンポポが代表的な姿です。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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原産地とは、植物がもともと自生していた地域のことで、その植物が最も自然に近い形で育つ環境条件(気温、降水量、土壌など)を知る手がかりになります。例えば、地中海沿岸原産のラベンダーは乾燥した日当たりのよい場所を好み、湿気には弱いといった具合に、原産地を知ることで栽培環境の調整や越冬管理の参考になります。園芸で植物の性格を理解するには、学名や品種だけでなく、この「原産地」への理解も大切です。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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枝とは、植物の幹や主軸から分かれて伸びる部分で、葉や花、果実をつける役割があります。枝の生え方や配置によって光の取り込み方や風通し、樹形が左右されるため、剪定や誘引を通じて理想的な姿に整えることがガーデニングでは大切になります。

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