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植物がぐんぐん育つ!鉢植えの用土選びのコツ。通気性・排水性を高めた配合土を作るには?

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光武俊子

植物を鉢で栽培するときに用土は大事な要素です。適した用土で育てれば、根がよく伸びて植物はすくすく育ちます。植物の種類によってどんな用土がふさわしいのか、用土の働きや種類を知ることで、鉢栽培がグンと上達します。

植物をすくすく育てる用土の働きとは

植物は根から養分や水分を吸収するだけでなく、呼吸もしています。そのため、鉢植えの用土には通気性や排水性が重要です。通気性のよい用土では、水やりのたびに鉢内の空気が入れ替わり、根は新鮮な空気を取り込めます。

けれども、排水性が悪くて鉢内に水がとどまっていると、根は呼吸ができずに根腐れしやすくなります。また、水はけがよくて乾きやすい用土では、水を求める根がよく伸びます。この通気性や排水性を保つのは土の粒子のすき間です。

粉のように細かい粒子の用土はすき間のない構造になりますが、粒子が集まって大きな粒になった団粒構造用土なら、粒の間にすき間ができて通気性や排水性が向上。根は元気になります。

限られた用土で植物を育てる鉢栽培は、畑や庭の土ではできません。このような通気性や排水性を備えた鉢栽培用の用土を使います。植物の種類によって適した培養土も販売されていますし、さまざまな性質の用土を組み合わせて適した配合土も作れます。

培養土にひと手間かけて排水性を調整

園芸店やホームセンターにはさまざまなタイプの培養土がありますが、品質にバラツキがあって価格帯も幅広く、培養土選びは難しいものです。なかには植物の特性に適して調整されている培養土もあり、観葉植物用は室内栽培向きにコバエなどが発生しにくいように有機質を減らし、通気性や排水性を高めたもの。酸性を好むブルーベリー用はpH4~5に調整されたものです。

一般的な園芸培養土や草花用は、商品によって配合が異なり重さも違います。使ってみて初めて水はけの良し悪しがわかる感じです。そこで、購入した培養土の水はけを調整するワザを覚えておきましょう。

鉢植えに与えた水が底穴からなかなか流れ出ない、何日も用土が湿ったままで乾かないような培養土には、腐葉土を1割ほど混ぜるのがおすすめです。有機質をふくむ腐葉土用土の団粒化を促して、通気性や排水性を高めます。逆に水はけがよすぎてすぐに乾く培養土には、赤玉土を1割ほど混ぜてみましょう。

植物がぐんぐん育つ!鉢植えの用土選びのコツ。通気性・排水性を高めた配合土を作るには?(画像4)

広葉樹の落ち葉を集めて腐葉土をつくる

植物がぐんぐん育つ!鉢植えの用土選びのコツ。通気性・排水性を高めた配合土を作るには?(画像5)

赤玉土の大粒と小粒

バーミキュライトは、加熱処理された蛭石(ひるいし)という鉱物で、非常に軽く、保水性、通気性、保肥性に優れており、タネまきの土などとしてよく使われます。

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ピートモスは、寒冷地の湿地に生える水ゴケが堆積し、腐食化した土のことです。酸性で無菌に近く、ブルーベリーなど酸性を好む植物の栽培に適しています。

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パーライトとは、火山性のガラス質鉱物を高温で加熱発泡させた軽量で多孔質の材料です。ガーデニングでは、土壌の排水性や通気性を向上させる改良材として利用されます。水や肥料を適度に保持できる特性から、観葉植物や室内栽培にも重宝されています。軽量で扱いやすく、腐らない点も魅力です。培養土に混ぜたり、挿し木の発根材に用いたりするなど、多用途に活用できる便利な資材です。

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観葉植物とは、花よりも葉の形や色、質感の美しさを楽しむことを目的とした植物の総称です。モンステラ、ポトス、カラテアなどが代表的で、インテリアグリーンとして人気があります。育てやすく空間に潤いを与えるため、初心者からベテランまで幅広い層に愛されていますが、室内管理には日照・温度・湿度・空気の流れなど、繊細な配慮が必要です。身近に置いて葉の表情を見て、植物と会話する感覚が味わえるのも魅力の一つです。

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多肉植物とは、​乾燥地帯に適応するため、葉や茎、根に水分を貯蔵する組織をもつ植物の総称です。アロエ、エケベリアなどが代表的です。​ぷっくりとした独特の形状や多様な色彩が特徴で、室内外の観賞用として人気があります。

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団粒構造とは、土壌中の微細な粒子が集合して小さな塊を形成した状態のことを指します。ガーデニングでは、この構造が特に重要で、通気性や排水性、保水性のバランスを整える役割を果たします。団粒構造が良好な土壌は、植物の根が健康に育ちやすく、微生物の活動も活発化します。有機物を混ぜ込むことで形成を促進できるため、堆肥や腐葉土を使用すると効果的です。

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鹿沼土とは、栃木県鹿沼市周辺で産出される火山性の軽石土です。黄褐色で粒状の形をしており、通気性と排水性に優れています。おもに山野草、盆栽、サツキ、ランなどの栽培に使われ、根腐れを防ぐ効果がある一方、保肥力はあまり高くないため、他の用土とのブレンドが一般的です。無菌性が高く、清潔な土壌としてタネまき用にも重宝されることから、園芸初心者にも扱いやすい用土の一つです。

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赤玉土とは、関東地方の火山灰土壌から採取される粒状の土で、園芸用の培養土として広く使用されます。通気性と保水性、排水性のバランスがよく、単独で使用することも他の土と混ぜて使用することもできます。粒の大きさにより小粒・中粒・大粒に分類され、植物の種類や用途に応じて選ぶことができます。

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腐葉土とは、落ち葉や枯れた植物の枝などが微生物の働きによって分解され、ふかふかの土状になったものです。ガーデニングでは、土壌改良材として使用されることが多く、通気性や水はけを向上させ、植物の生長を助ける効果があります。また、有機物を豊富に含むため、植物にとって優れた栄養源となります。手作りも可能で、落ち葉を積み重ね適切に管理すると約半年~1年で完成します。庭づくりやプランター栽培にも非常に役立つ、自然の恵みを生かした便利なアイテムです。

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根腐れとは、土の水はけが悪いことによって、植物の根が腐ってしまう状態をいいます。肥料の与えすぎでも根腐れが起こることがあります。根腐れをほうっておくと、葉がしおれたり枯れたりします。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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黒土とは、有機物を多く含み、色が黒っぽい肥沃な土壌のことで、日本では関東ローム層に多く見られます。保水力と保肥力に優れており、野菜や草花の栽培に適していますが、水はけがやや悪いため、砂や腐葉土などと混ぜて使うのが一般的です。庭づくりや花壇の土壌改良にも重宝され、植物にとって栄養豊かな生育基盤となります。初心者にも扱いやすい万能な土の一つです。

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酸度とは、土壌や水の性質を示す数値で、pH(ペーハー)によって表され、値が7より小さいと酸性、大きいとアルカリ性とされており、植物の生育にはこの酸度が大きく関わっていて、例えばブルーベリーのように酸性土壌を好む植物もあれば、逆に中性から弱アルカリ性を好むものもあり、家庭菜園では苦土石灰などを使って酸度を調整することが健全な育成環境を整えるポイントになります。

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花木とは、季節ごとに美しい花を咲かせる木本植物のことで、観賞を目的として庭木や公園などに植栽されます。ウメやサクラ、ツツジ、ツバキなどが代表的で、四季の移ろいを楽しめます。樹形や花色のバリエーションも豊富で、和風・洋風どちらの庭園にも取り入れやすい植物です。

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用土とは、植物を育てるために使う土のことです。植物の種類に合わせて、水はけ、保水性、通気性、栄養のバランスを考えてつくられています。園芸店では「観葉植物用」「野菜用」「多肉植物用」など、目的別の用土が販売されており、初心者でも使いやすくなっています。

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