放置すると悲惨な80代に突入!?和田秀樹さんが語る「70代前半でしがちな油断」とは
残された 時間を悔いなく 使い切る
人はどうせ、いつかは死ぬ——。
この言葉は、じつは体験から出たものです。私自身が数年前、死を意識したときに思ったことです。
体調がひどく悪く、めったにやらない血液検査を受けました。すると、血糖値が660㎎/dL。「重度の糖尿病か……」と思いましたが、体重が激減しており、「すい臓がんの疑いもある」と言われ、嫌いな検査をあれこれ受けました。
インスリンが出なくなって重症の糖尿病になるようなすい臓がんなら、もはや末期です。「ああ、自分は死ぬのか」と思いました。以前から血圧も高く、慢性の心不全になりかねないと言われていたので「長生きはできないだろうな」となんとなく思っていました。とはいえ、どこか「死」は他人事であり、遠いものでした。はっきりと「死ぬのか」と自覚したのは、初めてだったのです。
私は以前から、がんが見つかっても治療は受けないと決めていました。手術、抗がん剤、化学療法のどれをやっても、体力がひどく落ちて、やりたいことができなくなると思っているからです。
たとえすい臓がんでも、最初のうちは生活もできるだろうから、好きな仕事に全力で取り組もうと思いました。本も書けるだけ書く、可能な限り借金して撮りたい映画も撮る、と決意したのです。
若い頃から、医師として人の死は見てきました。「人は死ぬんだな」ということはわかっていました。だから「生きているうちに楽しまなきゃダメだな」とも思っていました。しかし、死をはっきりと自覚するようになり「生」への思いを強くしたのです。
延命のためにがんと闘うのではなく、残された時間を力いっぱい生きよう。どうせ死ぬんだから、自分の好きなことをやり尽くそうと、肚(はら)が決まったのです。
幸いなことに、がんは見つかりませんでした。しかし、そのときに死と向き合ったことは、いまの私に生きています。「どうせ死ぬんだから、生をまっとうしよう。命ある限り、好きなことをして生きよう」と、自信を持って患者さんや、すべての幸齢者に言えるようになったのです。
※この記事は『女80歳の壁』和田秀樹著(幻冬舎刊)の内容をウェブ記事用に再編集したものです。
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